要は、「その選択」をしたくてもできない人もいるのに「マウントですか?」と言われたらしいのです。それを聞いてハッとしました。私はBさんと同じフリーランスなので、急に子どものお迎え要請があっても、なんだかんだ対応ができてしまいます。取引先に相談したり、作業時間を朝や深夜に移行したりともちろん負担もありますが、どうにかはできます。でも世の中お勤めの方のほうが断然多く、コロナとの共存にも慣れてきた社会。そうそう在宅勤務だけで回せる職種の方ばかりではないのはたしか。

 誰だって子どもの気持ちを尊重してつらいときは休ませてあげたい、でも仕事は休めない。そんなジレンマを抱えて、涙をのんで子どもを学校や学童に行かせるしかない親御さんも大勢いるのでしょう。ただ、「あなたのような選択をできない立場の私に配慮して!」という、受け取る側の配慮の押し付けに対し、違和感を拭えなかったのも事実。世界中どこでもいろんな考え方や情報が目に入ってくるSNS全盛時代、多様な選択肢があると伝えることも可能になった半面、それを選べない自分を否定されているように感じてしまう人の負の感情も生み出してしまう結果に。

 SNSって難しいね……。Bさんと2人、ため息をつきました。

 例えば私たちが使っているような子連れOKのコワーキングスペース(貴重かつ希少!)だとか、民間が運営する学区とは違うメンバーや体制の学童のような選択肢を、知らなくて困っている人に届くようにSNSをうまく使えたらいいな。でも、選びたくても選べない人のためにはどうしたらいいんだろう? その人たちへの配慮のために口を閉ざすのは、ちょっと違う気がする。むしろ子どもの不登校、行き渋りについての議論を活発にすることで、新しい施策やビジネスモデルが生まれるきっかけができるかもしれない。親も子も、困ったときにSOSが出せる、そしてそれを受け入れる選択肢が多様にある世の中にしたいだけなのに、なかなかうまくいきませんね。

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