「タッキーが客席の上空をフライングする曲でもあった。それを舞台上から見ている僕たちの思いを込めた、お客さまがわかるかわからないかくらいの演出もある。気付いた方は“通”ですね」(渡辺翔太

 目黒蓮も、この曲には特別の思いがあることを明かした。

「僕が滝沢歌舞伎に出ていたのはSnow Manに入る前(16~18年)。Snow Manだけがやれる振り付けがあって、毎回『かっこいいな~』と思って見ていたので、今回、それをやることができて感慨深いです」

 絢爛豪華(けんらんごうか)な「歌舞伎」は、今年もメンバーがずらりとステージ上に横並びになり、生化粧を見せるところから始まった。これまで披露してきた「五右衛門ZERO」「男と女の舞」に加え、メンバーそれぞれが新たに「氷」(13~14年)、「お七」(08~15年)、「蜘蛛」(10~12年)など歴代の名作に挑むのが大きな見せ場だ。

「氷の王」に扮した宮舘涼太は、今年1月も、市川團十郎襲名記念公演に出演するなど伝統芸能の場で修業してきただけあり、圧巻の演技を見せた。

 向井康二は「僕は『五右衛門』で舘さんとシンメでやらせていただく。歌舞伎経験者に負けないよう、2倍の腹布団を入れてます(笑)」と笑いを交えて語ったが、全員がそれぞれの「歌舞伎」を演じきり、観客を魅了したのは見事だった。

「僕たちがバックでついていた頃の演目もあるし、それを自分たちでやるのが感慨深い。メンバーが目立っているのを見ると、『うわ、懐かしい』と自分たちも感じています」(阿部亮平)

成長感じてほしい

 宮舘は「体感的には6メートルくらいの高さがある」という階段落ちにも挑んだ。深澤辰哉の「戸板倒し」、「阿部VS敵軍」など、3人の大立ち回りが詰め込まれた殺陣(たて)、そして「滝沢歌舞伎」の代名詞として知られる「腹筋太鼓」は今年も大迫力だ。上半身裸で和太鼓に向きあい、全員で息を合わせ、咆哮を上げながらバチを振る。

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