
彼の高校時代を知る多くの関係者が「ここまでの選手に育つとは思わなかった」と口をそろえる。世界最高峰のW杯の舞台までたどりついたのは、その思考法だろう。
高校生のころから、よく本を読んでいた。インタビューをした12月に読んでいたのは、松下幸之助の『道をひらく』。経営者や著名人の考え方を学び、吸収するのが好きだった。そして、目標は日記やスマホに記し、節目の試合前に見返して気持ちを高める。どんなに大一番でも、「1試合で、人生が変わる」とメンタルを保ち、結果を出してきた。
W杯で8強に届かなかった悔しさは今も残る。だからこそ、誓う。
「次は化け物になってW杯に戻ってきたい」
その言葉も4年間かけ、成し遂げるだろう。(朝日新聞記者・照屋健)
※AERA 2023年2月13日号