30カ国・地域の株、ETFに投資する桶井 道(おけいどん)さん。47歳で資産1億円を達成し早期退職。最新刊は『おけいどん式ほったらかし米国ETF入門』(宝島社)(イラスト/西田ヒロコ)
30カ国・地域の株、ETFに投資する桶井 道(おけいどん)さん。47歳で資産1億円を達成し早期退職。最新刊は『おけいどん式ほったらかし米国ETF入門』(宝島社)(イラスト/西田ヒロコ)

 iDeCoではアクティブ型の投資信託も買える。人気と実力を兼ね備えた3本を、世界中の株に投資するセミプロ投資家・桶井 道さんが分析。

【桶井道さんの分析はこちら!】

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 iDeCoで買う投資信託(以下、投信)のメインは低コストのインデックス型投信でいいが、トッピング的にアクティブ型投信を楽しむのも悪くない。

 アクティブ型投信は、ファンドマネジャーが独自の視点で国内外の個別株やETFを選び、自由に組み合わせることで高いリターンを狙う。

 人気があって運用力の高いアクティブ型投信、かつiDeCoで買える厳選3本を、世界30カ国・地域の個別株やETFに投資するセミプロ投資家、桶井道さんが分析した。

『AERA Money 2022秋冬号』
『AERA Money 2022秋冬号』

 まず「ひふみワールド年金」。レオス・キャピタルワークスが運用している。

 レオスが運用する日本株メインの「ひふみプラス」は、つみたてNISAの純資産総額ランキングでも上位に食い込んでいる。

 桶井道さんによると「投資は日本だけでなく世界全体の経済成長に乗る戦略が大切だと思います。1本目は『ひふみワールド年金』をひもとくことにしました」。

「ひふみワールド」の長所

 ひふみワールド年金は「ひふみワールド」のiDeCo版だ。

「私の持論ですが、投資において米国株は外せません。その点『ひふみワールド年金』は米国企業が70%以上を占め、頼もしい。中国の組み入れ比率は2位ですが約3.4%。ほどよいと思います。

 エコロジーを利益に結びつけられる資本財分野の企業が多く選ばれていますね。成熟産業といわれる金融セクターが組み入れ上位業種の5位ですが、銀行株だけでなくMSCIやS&Pグローバルなど今どきの金融企業を外していない」

 組み入れ銘柄1位(2022年8月31日現在、以下同)は米国の農機・建機メーカー、ディア・アンド・カンパニー。完全自動運転トラクターが注目されている。

「米国は人口増加で、食料の増産が必要不可欠です。農機+自動化の分野には私も注目しています」

 2位は航空機エンジンおよび産業用ガスタービンの設計を行うドイツのMTUエアロ・エンジンズ。

「この会社は温暖化ガスを排出しない飛行システムの開発に力を入れている点が評価できます」

 5位のテトラ・テックにも注目。インフラ、資源などのコンサルティングを行う。

「国際的な課題とされる分野を数多く手がけており、今後も需要が増え続けるでしょう」

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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