岸田文雄内閣の支持率(AERA 2022年9月12日号より)
岸田文雄内閣の支持率(AERA 2022年9月12日号より)

 波紋は広がった。事件当時、経済産業相だった萩生田光一氏は旧統一教会系の会合に出席していたと発表、山際大志郎経済再生相も同じような会合に出席したと明かした。内閣支持率が急低下したことに危機感を抱いた岸田首相は、予定を早めて8月10日に内閣改造・自民党役員人事に踏み切った。

 局面転換を狙ったのだが、(1)経産相から党政調会長に横滑りした萩生田氏が、参院選公示直前に立候補予定者と旧統一教会の施設を訪問(2)留任した山際経済再生相が、旧統一教会系の団体がネパールで開いた会議に出席していた、といった新事実が次々と判明。改造前には党総務会長を務めていた福田達夫氏が、旧統一教会に関連して「何が問題なのか分からない」と語り、多額献金などで苦しむ被害者たちから強い反発を浴びた。

 内閣支持率はさらに低下。朝日新聞の調査(8月27、28両日)では岸田内閣を支持する人が47%で7月に比べて10ポイント下落。支持しない人は25%から39%に急増した。ほかの調査でも支持率は軒並み低下している。いずれの調査でも首相の旧統一教会問題への対応を「評価しない」が多数を占めており、この問題が政権を直撃していることが分かる。(政治ジャーナリスト・星浩)

AERA 2022年9月12日号より抜粋