しいたけ.さんのアドバイスは優しくて心に染みる
しいたけ.さんのアドバイスは優しくて心に染みる

しいたけ. 僕が昔読んだ、ある漫画家の方が、やっぱり子どもが生まれる前と生まれた後では自分の性格や考え方が一変したと言ってました。子どもが生まれる前までは、例えば友達に嫌われたとか、LINEが返ってこないとかそういうのを気にしていたけど、それどころじゃなくなった、って。それより次のご飯のことを考えないといけないから「嫌うならどうぞ」みたいな感じで。許容範囲がはっきりしたことで、今まで悩みだったことがまあまあどうでもよくなったらしいです。

水野 なるほどな~~。それはあると思います。一人で自分のことをあれこれ悩むための空き容量がもうないです。そんな先々のことまで考えられなくて、今日のこと、せいぜい明日までのことで精いっぱい。常に目の前を生きてる感じがします。

しいたけ. そういうのって、世の中の表舞台に回らないタイプの大変さじゃないですか。風の噂では、子育てって大変だとか、でもみんなやってるから、とかいろいろ聞くけど、リアルな戦場のバタバタ感や大変さって、全然知られてないというか。僕自身は初めて水野さんの記述によって明らかになった部分が多くて。出産の地獄とかも。本を読んでて泣きそうになりました。書き残してくれてありがとうっていうぐらいに。

水野 本当にこれは書き残さなければいけないと思ったんですよね。もっと声を大にして「すごい大変だった」って言うべきだなと思って。「我慢して当たり前」みたいな空気が嫌なんですよ。

●「なんか気持ち悪い」は生物として大事な感覚

しいたけ. でも、バタバタしてる人って、最終的に救われている人が多い気がします。「私もうキャパがここまでだから、これ以上の優しい対応はできません、はいおしまい!」とか「次の日のお弁当の献立が差し迫ってるから、ごめんなさい、はいここまで」って言える人って、悪いものを自分のテリトリー内に持ち込ませない。それは、運のよさみたいなものにも通じる話で。僕は占いをやってる立場の人間として、運のいい人と悪い人ってやっぱり存在してると思うんです。

水野 なるほど。

しいたけ. 運がいい人って、「気持ちいい」「気持ち悪い」にめちゃくちゃ敏感です。

水野 それは、場所によって空気が違うとかもあるんですか? 例えば神社仏閣の空気と、昔何か事件があった場所の空気とか。

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心の中のバリアが大事