証券業界27年の大ベテラン、SMBC日興証券の山本憲将さん(撮影/写真部・高橋奈緒)
証券業界27年の大ベテラン、SMBC日興証券の山本憲将さん(撮影/写真部・高橋奈緒)

 金融庁が「つみたてNISA」の対象商品として認めた全世界株式投信の中で信託報酬が安く人気なのは、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」、SBIアセットマネジメントの「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」の3本。迷ったらどれを選べばいいか?

【注目】「全世界株式」大人気の3本を比べると?

■全世界株式でかなり迷う3本

 そもそも株価指数は、新聞社や金融情報会社、証券取引所などが算出している。たとえば日本で有名な日経平均株価は、日本経済新聞社が優良企業225社を選び、その株価をもとに算出された指数。それと同様に、「全世界株式」という指数(インデックス)を算出している会社があるわけだ。

 代表的なのは米国のモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)とイギリスのFTSEインターナショナルの2社。投信などの金融商品の情報を提供する、SMBC日興証券の山本憲将さんに違いを聞いた。

■全世界株式の投信、2つの指標の違い

「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)は、23の先進国、27の新興国の株式が対象です。時価総額上位約3000社の株式から算出され、世界株式の時価総額の85%をカバーしています」

 MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは全世界株式の中で一番メジャーな指数。ここから「日本株」を除いたものが「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス 除く日本」である。

「FTSEグローバル・オール・キャップ・インデックスには先進国25カ国、新興国24カ国の時価総額上位約9000社が組み入れられており、世界の株式の時価総額の約98%をカバーしています」

 大型株と中型株が主体のMSCIに対して、FTSEは小型株も含めた、より幅広い銘柄を対象にしているということ。

「MSCIでは新興国に属する韓国、ポーランドがFTSEでは先進国に分類され、MSCIにしかアルゼンチンが入っていないなど採用国も微妙に違います」

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