エッセイスト 小島慶子
エッセイスト 小島慶子

 タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。

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 9月23日から10月10日まで、金沢プライドウィーク2021が行われています。金沢市は今年7月にパートナーシップ制度をスタート。性的少数者のカップルを“結婚に相当する関係”と認める制度の導入は、北陸では初めてです。北陸は家族の結びつきが強く幸福度の高い地域というイメージがありますが、かなり保守的な土地柄。「近所の人がLGBTQだったら嫌悪感を抱く」と答えた人が全国最多の61.5%という調査結果があります(「性的マイノリティについての意識」2015年全国調査/広島修道大学・河口和也教授ほか)。市民の声に応え、自治体、地元の経済界、NPO、学識者やメディアなどが県外の人々とも連携し、地域社会全体で多様性を大切にするまちづくりを進める動きが始まったのは、大きな一歩。周辺の自治体に広がることも期待できます。

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小島慶子

小島慶子

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。共著『足をどかしてくれませんか。』が発売中

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