くら寿司のセルフチェックカメラ
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抗菌寿司カバー「鮮度くん」
抗菌寿司カバー「鮮度くん」
厨房で活躍する「シャリマシーン」
厨房で活躍する「シャリマシーン」

 回転寿司チェーンの広報の仕事をしていると、「あのレベルのお寿司を100円(税抜き)で提供できるのは凄いですね。どんな秘密があるんですか?」と聞かれることがよくあります。そこで今回は、その秘密について、可能な範囲でお教えします。

【写真】これが厨房で活躍する「シャリマシーン」

 回転寿司が全国的に普及する前は、特に握りずしは、我々庶民にとっては特別の日にしか食べられない高級な食事の代表でした。それが、回転寿司チェーンの普及に伴って、普段の外食時の選択肢として考えられるようになったのではないでしょうか?

 回転寿司は、今から63年前の1958年に東大阪で生まれました。

 元禄寿司の創業者の白石義明氏が、ビール工場のベルトコンベヤーを見て、お客さまに効率的に寿司を提供する方法として思いついたものです。

 その後、1970年の大阪万博で話題になったことをきっかけとして全国に広がっていきましたが、回転寿司の本格的な普及は、元禄寿司がもっていた回転レーンの特許が切れて、現在の大手回転寿司チェーン各社が本格的に参入した1980年代半ば以降です。

 くら寿司の回転寿司1号店も、1984年に大阪府で開店しています。

 その後も回転寿司市場は成長を続け、2019年には7400億円まで達しています。昨年はコロナの影響もあり、若干縮小しましたが、今後は1兆円程度まで拡大すると言われています。

 その人気の要因のひとつが、リーズナブルな値段で質の高いお寿司が食べられるコストパフォーマンスの良さです。

 一般的な飲食店では、お店の売り上げに占める原材料費の割合は30%程度と言われています。それに対して、くら寿司をはじめ大手回転寿司チェーンでは、50%程度になっています。

 握りずしの主な材料は、お米(シャリ)とその上に乗せるネタです。各社がコストをかけてより良いネタを提供することで、魅力をアップしているということになります。

 回転寿司チェーンが、原材料にこれだけのコストをかけられるのは、お店の運営が非常に効率化され、1店舗当たりのスタッフの人数が少なくても運営できているからです。

 お客さまの注文をとったり、商品を届けたりする部分はすべて自動化されているので、客席まわりのスタッフは非常に少なくてすみます。そして実は、皆さんが普段見ることのない厨房でも、さまざまな凄腕のマシーンが活躍しているんです。

 まずは、お寿司の基本であるシャリについて。

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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