「人生海海」はTapicoさんお気に入りの台湾の言葉。食堂で、箸袋を挟むためのクリップに挟んだ(撮影/今村拓馬)
「人生海海」はTapicoさんお気に入りの台湾の言葉。食堂で、箸袋を挟むためのクリップに挟んだ(撮影/今村拓馬)
今回ガイドを務めてくれたTapicoさん。台湾の商品が揃う「誠品生活日本橋」やカルディコーヒーファーム、各種通販などにも精通(撮影/今村拓馬)
今回ガイドを務めてくれたTapicoさん。台湾の商品が揃う「誠品生活日本橋」やカルディコーヒーファーム、各種通販などにも精通(撮影/今村拓馬)

 思うように旅行に行けないコロナ以降、推しの国の香りがするものを自宅に集めて「妄想トリップ」を楽しむ動きが広がっています。AERA 2021年7月5日号では、台湾通の「妄想トリップ案内人」が、自宅で台湾的空間を楽しむワザの数々を伝授します。

【写真特集】おうちで楽しむ 「妄想TRIP!」<台湾編>はこちら

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「ネイルサロンで、やってもらってきました」

 そう言って見せてくれたネイルに描かれていたのは、ミルクティー色の地に、黒いドット。しかもドットは、台湾で縁起がいいとされている数字「8」粒と、念が入っている。

 そう、このネイルのモチーフは台湾が生んだ発明品、タピオカドリンクだ。ちなみにもうひとつには赤いストライプが。

「台湾の市場で食品や雑貨を買ったときによく入れてくれるポリ袋の柄です」

 ここは今回、台湾への妄想トリップの案内役を買って出てくれた30代の会社員、Tapicoさんのお部屋。大学時代、交換留学で台湾の中西部の都市、台中に留学して以来、台湾のとりこになった筋金入りの台湾マニアだ。1児の母になってからも「とにかく人が親切で、子連れ旅行者にもやさしい」という台湾に通ってきた。

 ところがコロナ禍で昨年からほとんどの国が渡航禁止に。そのロスを、コロナ以前からお得意だった、日本にいながらにして台湾旅行を楽しむ、“妄想トリップ”で癒やしている。そのコツを教えてもらう前に、まずは妄想トリップについて。

 地図アプリを見たり、観光地の動画を見たり。そうやって旅行気分を味わうバーチャルな妄想トリップは、以前からもあるにはあった。

■電鍋などに原色を使う

 一方、コロナ以降の妄想トリップは、いわゆる「住む旅」。推しの国の香りがするものを身近に集めて、その国の住人気分を楽しむ日常型の旅が多い。日本で楽しめる台湾と韓国のインテリア、食べ物、エンターテインメントなどをこまごまと紹介したマニアックなムック「妄想TRIP! #おうち台湾」「妄想TRIP! #おうち韓国」(朝日新聞出版)もヒット中だ。

 このへんで再び台湾行き妄想トリップのガイド、Tapicoさん自慢のお部屋へ。キッチンの一角を見ながら、まずは台湾風インテリアの作り方をレクチャーしてくれた。

「コツは、南国を思わせるグリーンや見るだけで元気になるような原色をたくさん使うこと。キッチンでは電鍋(でんなべ)に合わせて、ほかの原色も臆せずバンバン使うようにしています」

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