余談ですが、実はカニカマも近年値段が上昇しているんです。本ズワイガニの価格高騰につられたわけではないとは思いますが。カニカマは皆さんご存じの通り、カニではなく、スケトウダラのすり身から作った練り物です。

 冷凍したスケトウダラのすり身を、急速に解凍し再度冷凍することで、カニの身に近い繊維状の練り物ができあがります。元々は石川県の会社が作ったものですが、近年、健康志向の強まった欧米の国々で人気が高まり、現在、世界一の消費国はフランスとなっています。

 フランスでは、カニカマと野菜を少し柔らかめのパンにはさんだものが、街角のパン屋さんでよく売られています。

 また、アメリカの寿司バーでも、本物のカニが「Crab」と呼ばれているのに対して、カニカマを「Kani」と呼んで、カニカマのお寿司を提供しているところもあるそうです。
 
 ちなみに、世界一の生産国も日本ではなく、バルト3国ひとつのリトアニアとなっています。
 
 このように値段が高騰して、なかなか本物の本ズワイガニを口にする機会が減ってきています。そこで、くら寿司では、今週金曜日から「豪華カニフェア」を開催します。すべて本ズワイガニを使用した、「贅沢かにちらし」や「贅沢かに3種盛り」のお寿司を販売します。

 今後さらに希少になってくるかもしれない本ズワイガニを、存分にお楽しみいただければと思います。

○岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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