「確かに直近10年では米国株のほうが全世界株式より成績がよかった。でも、2000年代は新興国株のほうが米国株よりも上がりました。

 今後も米国が世界の覇権を握るとは限りませんし、歴史を振り返っても世界の覇権を握り続けた国はありません。

 未来は誰にもわかりませんが、全世界の経済や人類が成長し続ける可能性は高いのではないでしょうか。そう考えると全世界株式がいいと思います」

 全世界株式でも、現状の中身は米国株が半分以上を占めている。でもこの先、中国の勢いが増せば自動的に米国が減り、中国の株が増える仕組みになっている。「買ったら放置したい派」にはいい。
 
 ふと気になり、水野さんに聞いた。同じ全世界株式でも「除く日本」と「含む日本」ではどちらがいいのだろう。

「個人的には『オールカントリー(含む日本)』をお勧めします。日本の成長性を疑問視する人もいますが、日本株や投信をつみたてNISA以外で多く保有している場合は『除く日本』でもいいと思います。

 また、日本企業で働き、円で給与をもらっているから……と思う方も検討していいのでは」

※アエラ増刊『AERA Money 2021春号』から抜粋

(取材・文/安住拓哉、編集部・中島晶子、伊藤忍)

著者プロフィールを見る
中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

中島晶子の記事一覧はこちら