「現在ほど良い日米関係はない」と杉山晋輔・前駐米大使 その裏で米国が求める“責任の分担”とは (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「現在ほど良い日米関係はない」と杉山晋輔・前駐米大使 その裏で米国が求める“責任の分担”とは

牧野愛博AERA
杉山晋輔(すぎやま・しんすけ)/前駐米大使。1953年生まれ。77年、外務省入省。アジア大洋州局長や外務次官などを歴任。2018年1月~21年2月、駐米大使を務めた (c)朝日新聞社

杉山晋輔(すぎやま・しんすけ)/前駐米大使。1953年生まれ。77年、外務省入省。アジア大洋州局長や外務次官などを歴任。2018年1月~21年2月、駐米大使を務めた (c)朝日新聞社

 日米首脳会談が16日、ワシントンで行われる。バイデン政権は日本に何を求めるのか。中国との関係にどう影響するのか。AERA 2021年4月19日号で、前駐米大使の杉山晋輔さんに見通しを聞いた。

【写真】トランプ氏を「道化師」「うそつき」と言い返したバイデン氏

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──バイデン政権になり、米国は変わったのでしょうか。

 事業で成功し、一度も公職に就かずに大統領になったトランプ氏と、ワシントンのエスタブリッシュメントの代表とも言えるバイデン氏では背景が違うし、前政権と違うことをやろうとするだろう。でも、米国全体の政治や経済状況は大きく変わらないだろう。トランプ前大統領は、プアホワイトの問題に代表されるように、米国で数十年にわたって広がった所得や社会的地位などの格差に直接触れた。

 これに対し、バイデン氏は大統領就任演説などで「unity(団結)」という言葉を繰り返している。だが、トランプ氏が開けたパンドラの箱がすぐに元に収まることはないだろう。

 そんななか、米国は日本をより、頼りにするようになっている。私が駐米大使時代に会った民主党や共和党の政治家、地方の首長たちが、表現の違いはあっても皆「米国の対外政策のなかで、日米同盟ほど重要なものはない」と語っていた。

■日米共に行動する責任

 これは、日本の経済界が長い時間をかけて米国社会に溶け込む努力をした成果だろう。働く人は全員米国人で使う部品も米国製という日本企業の工場が、米国には数多くある。こうした経済や文化面での貢献から、米国の若い世代が「Japan is so cool」と言ってくれる。

 私は30年前にも1等書記官としてワシントンで勤務した。当時と比べ、日米関係は本当に深まった。毎年3月にはポトマック川のほとりで全米桜祭りが開かれる。大使として着任直後の2018年3月、開会式に出席したが、日本文化広報の一部だった30年前とは全く異なり、米国人が主体になり、費用の6割以上を米企業の寄付でまかなう催しになっていた。


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