「自分を変えなくていい相手を選ぶことができるし、相手を無理に変えようとも思わなくなるので、いい結婚ができる」

■「何で?」が面倒に

 一般的に、仕事に邁進し成功をつかんできた人は、自分にも他人にも厳しくなるタイプが多い。だが、年齢を重ねることで違いを受け入れられる。

「独身も十分楽しんで、人生後半は結婚生活も楽しめる。晩婚あるあるです。何より、独り身を案じていた周囲が喜んでくれる。今回の報道でもその祝福ぶりがわかります」(大宮さん)

 周囲との関係で結婚を決断するのも晩婚にはありがちだ。会社を経営している男性は、42歳で結婚。40歳を過ぎて一度も結婚をしていないのは、経営者の先輩たちから軽くみられると感じた。「何で結婚しないの?」と聞かれ続けることも面倒になったのだという。

 出会ったその日に結婚を決めた夫婦もいる。妻は言う。

「共通の知り合いに紹介され、食事をして2時間くらいした頃に『お付き合いしてほしい』と言われてお断りしました(笑)。でも2次会のお店で『じゃあ結婚しませんか』と言われ、決心しました」

 付き合いや駆け引きではなく、ストレートに「結婚」にたどり着くのも40代婚だ。

 さらに今は、結婚を後押しする要因もある。結婚情報サービス「オーネット」の調査によると、コロナ禍において「結婚に対する意識が高まった」という人は約40%に上った。有吉婚とコロナ禍の関係は未知数だが、世界中を巻き込む「前例なき不安」は、結婚の後押し要因になっているようだ。(ライター・島田ゆかり)

AERA 2021年4月19日号