
独ベンチャー企業発の「DeepL翻訳」が、グーグル翻訳をしのぐ高評価を受けている。その実力を検証したAERA 2020年7月27日号では、お笑いコンビミルクボーイがM-1グランプリで披露したあのネタをDeepL翻訳に読み込ませてみた。果たしてその結果は。
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専門家の分析で、グーグル翻訳をしのぐ正確さと流暢さを持つことがわかった「DeepL翻訳」。AIによるディープラーニングの結果、話し言葉や方言も読みこなすという。
そこで編集部は、昨年末の「M-1グランプリ」で優勝したミルクボーイが披露したネタの一部をDeepL翻訳に読み込ませてみた。
「あのー甘くてカリカリしてて で 牛乳とかかけて食べるやつやって言うねんな」
「おー コーンフレークやないかい その特徴はもう完全にコーンフレークやがな」
「いや俺もコーンフレークと思うてんけどな」
「いやそうやろ?」
「オカンが言うには 死ぬ前の最後のご飯もそれで良いって言うねんな」
「あー ほなコーンフレークと違うかぁ 人生の最後がコーンフレークでええ訳ないもんね」
漫才ならではの話し言葉、そしてコテコテの大阪弁。この文章からDeepL翻訳が導き出した英訳は以下の通りだ。
They say it’s sweet and crunchy, and that you can eat it with milk.
"Ooh, it’s cornflakes, even though it’s totally cornflakes.
No, I think it’s cornflakes too.
No, you don’t.
My mom says that’s what she wants for her last meal before she dies.
Oh, yeah, it’s different with the cornflakes. I don’t see why we shouldn’t end our lives on cornflakes.
オカンがちゃんと「My mom」になっている! スマホでもなかなかスッと変換されない「ほな」「やねんな」「やがな」といった大阪弁独特の言い回しも、難なく訳しているようだ。
訳文をみた関西大学の山田優教授(通訳・翻訳学/翻訳テクノロジー論)は、「DeepL翻訳は方言もしっかり学習している」と話す。
(編集部・川口穣)
※AERA 2020年7月27日号抜粋、一部加筆