コロナ禍にインディー・レーベル「円盤」が企画した、日常の歌のカケラ (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

コロナ禍にインディー・レーベル「円盤」が企画した、日常の歌のカケラ

連載「岡村詩野の音楽日和」

このエントリーをはてなブックマークに追加
岡村詩野AERA
『四月の音楽』ジャケット(写真提供_円盤)

『四月の音楽』ジャケット(写真提供_円盤)

 日常生活とは一体どういうものなのか。コロナ禍で叫ばれる「新しい生活様式」とやらに違和感を覚えながら、あらためて考えるのは、当たり前に過ぎていく日々のカケラだ。新型コロナの感染症対策専門家会議が提唱する「新しい生活様式」の実践例を見ると、音楽は【娯楽・スポーツ等】のカテゴリーに入れられ、「歌や応援は距離をとるかオンラインで」とされている。距離ってなんだ? 音楽を楽しむのに「近い」「遠い」という感覚は、何か意味を持つのだろうか? そもそも音楽とはもっと当たり前のように普段の暮らしの中にあるものではないだろうか。そんな風に思ってしまう。

 1枚のオムニバス・アルバムがリリースされた。タイトルは『四月の音楽』。東京のインディー・レーベル「円盤」が制作した16曲入りのコンピレーション盤で、レーベル・オーナー兼、高円寺にある音楽や本を扱うショップ「黒猫」店主の田口史人氏が企画したものである。

 参加しているアーティストは、田口氏や「円盤」「黒猫」にゆかりのアーティストばかり。うたものもあればインストもある。例えば、ヒューマンなボーカルにスライド・ギターの音色がさざなみのように響くシンガー・ソングライター「犬風」。ポップでカラフルなメロディーが転がるように耳をくすぐるスリー・ピース・バンドの「ケバブジョンソン」。菊地成孔や外山明らとも交流があり精悍(せいかん)で包容力ある歌声が魅力のシンガー・ソングライター「倉地久美夫」。主に80年代から活動するベテランで「すきすきスウィッチ」の中心人物によるラフな武骨さが光るバンド「佐藤幸雄とわたしたち」。海外のレーベルからも作品を出す音楽家によるアンビエント・スタイルの「Aki Tsuyuko(アキ・ツユコ)」。カシオトーンなどのキーボードを自在に操る金沢在住の男性アーティスト「ASUNA(アスナ)」。軽やかなのに何気ない言葉が心に突き刺さってくるボサ・ノヴァ・スタイルの「mmm(ミーマイモー)」など。


トップにもどる AERA記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい