テレワークは「ラクな働き方」という誤解 新型コロナ対策でも導入を妨げる呪縛 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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テレワークは「ラクな働き方」という誤解 新型コロナ対策でも導入を妨げる呪縛

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市岡ひかりAERA#働き方#新型コロナウイルス
ベンチャーリパブリックのテレビ会議の様子。元々海外にいるメンバーとのやりとりも多く「違和感はない」と言う(写真:ベンチャーリパブリック提供)

ベンチャーリパブリックのテレビ会議の様子。元々海外にいるメンバーとのやりとりも多く「違和感はない」と言う(写真:ベンチャーリパブリック提供)

プレシャスパートナーズの石川洋行さん。2児の父で、子どもが帰宅したら空き部屋に移動して作業している(写真:プレシャスパートナーズ)

プレシャスパートナーズの石川洋行さん。2児の父で、子どもが帰宅したら空き部屋に移動して作業している(写真:プレシャスパートナーズ)

 正直、「自宅でサボっているのでは?」と懸念する人もいるであろうテレワーク。新型ウイルス感染拡大の影響で一気に進んだこの働き方に、さまざまな課題が見えた。AERA2020年3月23日号で掲載された記事を紹介する。

【写真】同僚とのテレワークでのやり取りは? 実際の作業の様子はこちら

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 部下は自宅できちんと働いてくれるのだろうか──。そんな思いが頭をよぎる。

 人材戦略のプレシャスパートナーズ(東京都新宿区)では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ネットワーク環境が整った社員から順次在宅勤務に移行した。そんな中、エリア営業部課長の石川洋行さん(33)の胸の内には一抹の不安があった。テレワークは昨年夏から段階的に取り入れられていたものの、本格的に導入されたのは初めてだったからだ。

 しかし、ふたを開けてみると、チャットツールを通じ、メンバーからの業務報告は今まで以上に細かく上がってきた。むしろ通勤の時間がかからない分、行動量が伸び、その分、新規顧客に当たれたり、サービスに時間がかけられたりと、仕事の質はかえって高まった。

「思ったより問題はなかったです。そもそも会社にいる時のメンバーの行動だって、すべて把握できているわけじゃない。考え方次第だな、と」

■テレワーク導入は2割

 同社ではコミュニケーション不足を補うため、3時間に一度、ビデオチャットツール「Zoom」を活用し、5分程度の雑談の時間を設けている。「昼ご飯、食べた?」程度の会話だが、自宅で過ごす同僚の表情が、新鮮に感じた。

 新型コロナウイルス感染防止のため、在宅勤務に切り替える企業が増加している。特に、政府による全国の小中学校・高校の休校要請以降は、幼い子どもを自宅で留守番させられず「出社したくてもできない」社員が急増。ただ、総務省の「通信利用動向調査」によると、企業のテレワーク導入率は2018年で19.1%程度にとどまっていた。今回の件を受け、突貫で整備を進めた企業も少なくない。

 なぜ、これまでテレワークが進んでこなかったのか。

 テレワークのノウハウを共有する企業グループ「TDMテレワーク実行委員会」実行委員長の長沼史宏さん(43)は、背景には福利厚生の一環のように誤解され「ラクな働き方だ」という先入観があると指摘する。

「そもそも目の前にいる人しかマネジメントできない管理職の問題。仕事をしている姿や時間ではなく、実績で評価する企業風土がないと『這(は)ってでも出社した人が偉い』という呪縛にとらわれ続けることになります」


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