問題を指摘したのは、かつて尼崎市議を務めていた兵庫県議の丸尾牧さん(55)。「子どもの貧困の問題を調べる過程でわかった」と経緯を説明する。

 市教委は問題発覚後、複数の業者から見積もりを取るよう学校に指示を出したが、「その後については、特に調査は行っていない」(同課)という。

 大分県の県立高校では、特定の旅行会社によるほぼ独占状態だったことが明らかになった。アエラの情報開示請求に対して県教委は、18年度までの3年分の修学旅行について、業者決定のプロセスや1人あたりの金額、案件ごとの受注業者などを記した文書3枚を開示した。いずれの年度も43件か44件の修学旅行があり、1人あたり25万円を超える海外修学旅行から、7万円台の国内旅行までさまざまだ。注目は、受注業者が16年度と17年度は全てJTB、18年度は1件をのぞきJTBだったこと。複数からの見積もりを取るのも、16年度は21件、17年度は12件、18年度は8件と徐々に減っていくさまも見て取れる。

「結果的に業者が偏ったのは事実。JTB以外の業者が参加しにくいような仕様書になっていたことが大きな原因と考えています」(県高校教育課担当者)

 別の旅行会社の幹部が言う。

「さすがに異様に感じました。実質的にJTBに競争相手がいないのであれば、費用は高くなる傾向になるでしょう」

 県教委は昨年、外部の有識者を交えたプロジェクトチームを発足させ、調査している。(編集部・小田健司)

AERA 2020年2月24日号より抜粋