「テイラーが部屋で私のために生歌で聴かせてくれたんです。最高に特別な時間でした」

 テイラーも言わずと知れたラヴァー。本作には猫好きたちの愛が詰まっている。

 フランチェスカはケニア生まれ。父はイギリス人、母はケニア人だ。2歳でイギリスに移り3歳でバレエを始めた。

「ダンサーの身体的な素質に出自や人種は関係ないと思っています。ただ、自分で言うのはおこがましいんですが、私は心が強いんです。ダンサーとして一番重要なのはそこです。どれだけ向上心を持ってバレエに身を捧げられるか。その精神力の強さは親譲りかな、と感謝しています。それにどれだけ血を流しても、舞台を終えたときの高揚感と達成感は言葉で表せないほど素晴らしいんです。オファーがあれば今後も俳優に挑戦して、バレエのキャリアと両立できればと思っています」

 バレエ団の公演で、これまでに6回ほど来日している。

「前回は猫カフェに行きました。今回は話題のロボットレストランに行こうかな」

◎「キャッツ」
ジェニファー・ハドソン、ジュディ・デンチら豪華キャストの「猫っぷり」も見どころ。全国公開中

■もう1本おすすめDVD「猫が教えてくれたこと」」

「キャッツ」の原作はT.S.エリオットの詩集。おばさん猫、ダンディー猫、あまのじゃくなわがまま猫など猫の生態をユーモラスに観察した描写に猫好きなら「うん、うん」とうなずける。ノーベル文学賞受賞者であるエリオットもかなりの猫好きだったようだ。

 彼が観たら絶対喜ぶだろうなと思うのが「猫が教えてくれたこと」(2016年)。トルコ・イスタンブールの街に暮らす猫たちを追ったドキュメンタリーで、「キャッツ」に負けず劣らず個性的な7匹の猫たちが登場する。

 カフェのテーブルを行き来して上手におねだりする猫、ダンナを尻に敷くかかあ天下の猫、高級レストランの店主と同盟を結んだグルメ猫、遊び人風の猫……その姿を観ているだけで頬がゆるむが、それぞれの猫と街の人々の関係がまたおもしろい。

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