参院選で躍進したれいわ新選組代表の山本太郎氏は、早々とその主導権争いに見切りをつけ、次の総選挙では全ての選挙区で独自候補を擁立する方向に舵を切った。山本氏が事実上、立憲民主党を見限ったのだと関係者は言う。

「確かに桜を見る会は大問題だけれども、それは解散総選挙の大義にはならない。結局、野党の旗印は消費税しかないと山本氏は考えている。山本氏は本来、消費税廃止を主張しているのに、野党共闘のため5%にするとまで譲歩した。にもかかわらず連合の顔色を窺い、乗ってこなかった枝野幸男代表では、政権交代はおろか、現状以上の議席確保も難しいと判断した」

 とはいえ、桜を見る会の問題は、国会が閉じたとしても首相の説明責任がなくなるものではない。朝日新聞の投稿欄にこんな投稿があった。

「内閣府 ない、かくす、と聞こえる」。問題が沈静化する気配はない。(編集部・中原一歩)

AERA 2019年12月16日号より抜粋