ザ・ミレニアルズ渋谷「andwork」/場所:東京都渋谷区 利用料:1時間800円、1日利用3千円 利用時間:6時半~翌1時(21時最終受付) その他:途中の入退室や飲食物の持ち込みも自由(撮影/大野洋介)
ザ・ミレニアルズ渋谷「andwork」/場所:東京都渋谷区 利用料:1時間800円、1日利用3千円 利用時間:6時半~翌1時(21時最終受付) その他:途中の入退室や飲食物の持ち込みも自由(撮影/大野洋介)
外国からの宿泊客も多く、夕方以降のロビー(写真下)はインターナショナル。一方、ワークフロア(写真上)は静かで集中しやすい(撮影/大野洋介)
外国からの宿泊客も多く、夕方以降のロビー(写真下)はインターナショナル。一方、ワークフロア(写真上)は静かで集中しやすい(撮影/大野洋介)
両国湯屋江戸遊「湯work」/場所:東京都墨田区 入館料:一般2750円、会員2350円(湯workの利用料は入館料に含まれる) 利用時間:11時~翌朝9時 その他:男女別。中学生未満入館不可(撮影/編集部・川口穣)
両国湯屋江戸遊「湯work」/場所:東京都墨田区 入館料:一般2750円、会員2350円(湯workの利用料は入館料に含まれる) 利用時間:11時~翌朝9時 その他:男女別。中学生未満入館不可(撮影/編集部・川口穣)

「働き方改革」のなかでテレワークに注目が集まる中、街中には快適な働き場所がたくさん誕生している。それぞれのワーキングスペースを訪ね、仕事のはかどり度合いを探ってみた。AERA 2019年11月25日号に掲載された記事を紹介する。

【写真】“お風呂で仕事”など、新スタイルのワーキングスペースの写真はこちら

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 伸びをしてあたりを見渡すと、窓の外はすっかり薄暗くなっていた。14時過ぎまで取材をし、そのまま原稿を書くこと3時間。隣のブースでキーボードを叩いていた女性はいつの間にかいなくなり、フロアにいるのは記者ひとりだけだった。これだけ長時間集中して仕事をしたのは久しぶりな気がする。鳴り響く電話もなければ、企画の進捗状況をせっつく上司もいない。

 この日仕事をしていたのは、東京・渋谷のデザイナーズカプセルホテル「ザ・ミレニアルズ渋谷」内のワーキングスペース。ロビーやイベント用のフロアをワーキングスペースとして開放しており、利用料を支払えば宿泊客以外も利用できる。120人収容というイベントフロアには、4人掛けのブース3、ソファ席5、テーブルを囲む椅子やハイスツール席が20少々。これらがかなりゆとりを持って配置されている。ホテルを運営するグローバルエージェンツの伊藤実萌さんによると、1日の利用者は5~10人程度だという。

 ゆとりあるスペースに少ない利用客。運営は大丈夫なのだろうか。

「ホテルの空きスペースを使っているので、ある程度収支から離れ、デザイン性やゆとりにこだわることができたんです。“ライフスタイルホテル”という位置づけなので、宿泊客でない方にもフラッと来て利用してほしい。ホテルのなかに、遊びと仕事、どちらの風景も取り込みたいという狙いもあります」(伊藤さん)

 ホテルならではのサービスもある。朝7時半~9時半には宿泊客と同じ朝食が食べられる。コーヒーやカプチーノは終日飲み放題で、17時半から18時半にはビールのサービスまである。別料金だがシャワーも使える。

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川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

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