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即位の礼が行われましたが、平成と令和の始まりを比べるとずいぶんと違う様相だったと思います。私は自著の『ナショナリズム』で平成の終わりと象徴天皇について書き、なぜ平成は画期的だったのかにも触れました。それは30年という歳月をかけ、名実ともに天皇陛下の人間宣言が具体的な形で国民に浸透したからだと考えています。被災地の慰問や「戦地巡礼」のような慰霊の旅など、常に国民に寄り添う象徴というイメージが広く国民の中に着床し、なおかつ自らの意思で退位するという「脱出」の自由(奥平康弘『「萬世一系」の研究』)を行使されたことなど、人間天皇の姿が国民の共感を得たのだと思います。象徴天皇は実際に自らが身体を動かして社会に内在し、絶えず国民の統合を作り出していく象徴作用によって担保されていることを示されたわけです。
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