クイズ王としてテレビなどで活躍中の伊沢拓司さん。『中学受験2020 時事ニュース 完全版』(朝日新聞出版)では、伊沢さんが私立暁星小学校から私立開成中学校に進学した当時の思い出を振り返りながら、入試直前の必勝勉強法をアドバイスしてもらった。

*  *  *

 僕が中学受験を視野に入れたのは、小学6年生になったころ。開成中学の受験を決めた一番のきっかけは、周りの友達がみんな受けると言っていたから。仲間と競い合うのが純粋に好きだったので、「じゃあ僕も」という感じでした。あと、自宅から比較的近くて通いやすいというのもあったけど、僕自身は積極的に開成に行って何かをしたいというのはなかったです。

 塾には3年生の秋ごろから通っていました。最初は国語だけ、算数だけとか教科単位だったけど、徐々に増えて5年生で週3回くらい。そのころまでの勉強は、ただ宿題をやるだけでしたね。国語と社会は得意だったから、もっとやりたいっていう気持ちがあって自主的にやっていたけど、逆に苦手な算数からは目を背けていて……。なるべく国語と社会で点数を稼いで、算数の失点を補っていました。

 最初はそれで友達に勝てていたのに、だんだん勝てなくなってくる。周りは中学受験を意識し始めて、実力が上がっていたんでしょうね。競うのが好きな僕は、勝てないから楽しくない。「これは何か秘訣があるな」と思って、親や先生にどうしたらいいかを聞いたのが本格的な受験勉強のスタート。それから初めて算数を復習するようになったんです。

●演習→復習の流れをひたすらやる

 6年生の夏は、算数の復習をひたすらやっていました。いろんな学校の過去問を解いて、復習する。親も協力してくれて、僕が間違った問題にチェックをつけて渡すと、その部分だけをコピーしてノートに貼って、オリジナルの「復習ノート」をつくってくれました。そのおかげで、間違った部分を2回、3回と繰り返し解くことができるようになりました。

 そのうちに算数の問題の読み解き方、つまりこう聞かれたらこのジャンルの問題だなというのがわかってきて、相手に伝わる答案、解答もできてきた。こうして復習のベースができたのは、夏の大きな成果でした。

次のページへ中学受験直前の秋からやるべきことは?
著者 開く閉じる
ジュニアエラ編集部
ジュニアエラ編集部
1 2 3