秋ごろからは、基本的に新しく習うことは少なくなってくるので、ますます復習に集中できる時期。全教科で演習が増えてくるので、できるところとできないところも明確になってきます。復習してもわからないところは再び習うべきところなので、もう一回基礎に戻る。夏にはこの復習の流れがしっかり身についていたので、秋以降はとてもスムーズでした。

 正直、開成に受かるかどうかはあまり考えていなかったですね。僕自身、どのレベルなのかわからなかったし、見えてなかったからこそ気楽にできた。相変わらず身近な友達と日々競い合って、勝った負けたを楽しんでいましたね。

●勉強を始めるための予定をつくる

 時間の使い方は自分なりに工夫しました。6年生になると、受験勉強が中心の生活。学校の時間はもちろん大切にしていたけど、塾があるので早く帰るようにしていました。

 その際に「今日は誰と塾に行く」とか「16時に先生に質問する約束をする」とか、勉強の予定を自分でつくっていました。そうすることで、勉強をスタートせざるを得ない状況をつくっちゃう。そうでないと、放課後はやっぱり遊んじゃいますから。

 こうして日々の勉強時間を確保することで、直前に寝ずに追い込むような無理をすることなくすみました。

 いよいよ試験当日。特に緊張することもなく、身近に仲間もいたので「よっしゃ、頑張ろうぜ!」とお祭り気分だったのを覚えています。これまでやってきたことに対して腕試しをするつもりでのぞみました。

 でも試験が終わって数日後、合格発表を待つだけというタイミングで、なぜか突然緊張が襲ってきて……(笑い)。それまで気づかないふりをしてきた緊張が遅れてやってきたんですね。そのときは他校の試験中だったんですけど、全然集中できなくなって、結果はボロボロだったと思います。

●基礎をこなすとどんどん自信がつく

 中学受験を改めて振り返って思うのは、一番大事なのは「直前ほどやっぱり基礎」ということ。難しい問題をこなすより、まずは授業で習ったこの範囲が出るという部分を、繰り返し総ざらいすることです。間違えたところは復習して、それでも理解できていない部分は基礎に戻ってやり直す。

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