今大会では初戦のロシア戦でハットトリック(3トライ)を達成するなど計5トライを挙げ、W杯通算6トライは日本の最多記録となった。
「自分の持ち味をたくさん出すことができた。相手のモメンタム(勢い)を消すことができたので、個人的には自信持っていいかな」
今後について聞かれると、
「海外のチームからオファーが来れば柔軟に考えていい。どんどん世界に出て経験したい気持ちがある」
4大会連続出場で出場試合数14はW杯の日本代表選手最多となったトンプソンルーク(38)は今季限りでの引退を明言しており、試合後、「絶対、今日は最後の試合。すごい誇りです」と胸を張った。
司令塔、田村優(30)は「ベスト8を突破してからの課題は次の世代に託します。(2012年に)僕が入ったときよりはいい状態で終われた。次へのバトン渡しは完了しました」。
そのバトンを受けたのが、4年後の中心世代となる姫野和樹(25)や流大(27)だ。リーダーグループの若手メンバーとして、チームを引っ張った。
初出場ながら試合の流れを変える「ジャッカル」や59回のボールキャリーで計219メートルの前進など存在感を示した姫野は、こう大会を振り返る。
「このW杯では自分のことに精いっぱいになってしまう場面も多かったので、まだまだ。4年後はチームの中心となっていないといけない。グラウンドで常に先頭に立って引っ張ってくれているリーチ(マイケル)さんのようなリーダーになりたい」
全5試合で先発したスクラムハーフの流は言った。
「次のフランス大会でもう一個上のレベルに行くために、このW杯で学んだことも生かしていきたい」
(文中一部敬称略)(編集部・深澤友紀)
※AERA 2019年11月4日号より抜粋