「わが子を算数好きにさせたい」と思っている親御さんは多いはず。そこで、4人のお子さんを東大理IIIに合格させた佐藤ママこと佐藤亮子さんと、中学受験塾を経営し、自ら4教科を1人で生徒たちに教えている宮本毅さんに「算数ができる子になる秘訣」をテーマに対談をしていただきました。

『AERA with Kids特別編集 算数センスを伸ばす本』の付録についている「補数カード」。表と裏の数を合わせると100になる。いろいろな遊び方ができます(写真/キッチンミノル)
『AERA with Kids特別編集 算数センスを伸ばす本』の付録についている「補数カード」。表と裏の数を合わせると100になる。いろいろな遊び方ができます(写真/キッチンミノル)

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――まず、佐藤さんはお子さんたちを算数好きになるためにどんなことをやったか教えていただけますか?

佐藤:うちは小学校入るまでに一桁の足し算は瞬時にできるようにして、あとは九九を覚えさせました。テストがない時期から始めたほうがその子のペースで学べて楽しいと思って。九九なんかでもスラスラ覚える子とそうでない子がいるでしょ。学校で一斉に習うと周りのペースが気になってしまうけど、家庭ならその子に合わせたペースで丁寧にできるし、周りと比べる必要がないから親も怒らなくてすみます。

宮本:うちの塾はレベルが違う子たちがひとつの教室で勉強するスタイルなんですけど、やはりひとつのことを習得するにも個人差があるのは確かです。計算にしてもスラスラできる子とすごく時間がかかる子がいます。遅い子は周りからの無言のプレッシャーを感じて余計に算数が苦手になってしまうことがあります。だからできれば早いうちに訓練しておけば変な劣等感は持たなくてすみますね。

佐藤:計算とかってやはりトレーニングする時間が必要です。でも体操とかもそうですけど、1時間トレーニングすればよくできる子もいるけど10時間やらないとできない子もいる。もし自分の子が10時間やらないとダメなら、10時間やらないと。自分の子なんだからあきらめちゃダメ(笑)

宮本:確かに、ひとつの問題を30秒で理解する子もいれば、何回説明しても理解できない子もいます。でもよほど難しい問題でない限り、最後にはできるようになるんですよ。だからやっぱりあきらめない、っていうのは重要。でもただ「やれーっ」て言うのはダメですよ(笑)。

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AERA編集部
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