佐藤:子どもたちが小さい頃はみんなで折り紙やトランプをよくやりました。トランプは13までの数だから足し算の練習にもなりますしね。
宮本:私は算数に必要な力は「試行錯誤する力」だと思っているんです。たとえば、算数や数学には「公式」と呼ばれるものがたくさんありますが、それを丸暗記しても忘れてしまって使えなくなってしまうことが多い。でも試行錯誤して自分で見つけ出した法則は忘れることがないんです。だから、まずはてを動かして自分で法則性を見つけることが大切だと思います。
佐藤:うちの子たちにも「公式は覚えるな、公式は作るものだから」と言っていました。先ほど、算数には「試行錯誤する力」が大事、っていうお話が出ましたけど、それってやらせようとすると「めんどくさい」って言う子が多いんです。それはそもそも計算力がついてない場合が多い。計算力がついてないと「ああでもない、こうでもない」と考える作業がめんどくさくなる。
宮本:それはそうですね。私は今回、表と裏、合わせると100になる「補数カード」というものを作ったんです。これは遊びながら計算力や「数感覚」がつけばいいな、と思って開発したんですけど、まさに数字をみてパッと判断できる力って算数力の根幹ですよね。
佐藤:「算数が楽しい」と思えるかどうかの究極のところは、「一桁の足し算が瞬時にできるかどうか」だと思ってます。それが勝負。算数が苦手って言っている子をさぐっていくと、そこにいきあたることが多い。でもそれって誰でもできることじゃないですか。5、6年になって塾の問題になると親でも難しくて教えられなくなるけれど、一桁の足し算なら教えられる。中・高学年になっても、計算が苦手な子は一桁の簡単な計算を30個ぐらいウォーミングアップがわりにやったらいいと思う。
宮本:それこそまさに「数感覚」、つまり数字の感覚をつける、ってことですね。たとえば「12×4」を暗算でやらせたときに「58」って答える子がいる。58って12の倍数でないし、ぜんぜん関係ない数。瞬時に変だな?と思うか何も思わないか。そういうのも「数感覚」だと思います。「数感覚」が小さいうちに身についている子はそういうミスは絶対にしない。
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