「酎ハイと10円の粉ジュースの組み合わせもあり、珍しいなと感じました」(ひろみんさん)
前出の佐藤さんは、アイスクリームの「ピノ」と「パルム」を使ったサワーも試作。キンミヤ焼酎にピノかパルムを入れ、豆乳で割る。パルムはなかなか溶けず飲みづらかったが、“ピノサワー”は「驚くほどうまかった」。冷凍庫のスペースの問題で、商品化はしていない。
菓子と酒のコラボを販売元はどう捉えているのか?
「まったく想定していませんでした」と語るのは、創業大正4年、あんずボーを作る国内唯一のメーカー「港常本店」社長の鈴木健史さんだ。2代目社長の妻があんずの里である長野県更埴市(現・千曲市)出身で、あんず菓子の製造がスタートした。
「あんずボーとお酒の話をはじめて聞いたのは、会社の近所のもんじゃ屋さん。結構前のことです」(鈴木さん)
しばらく動きはなかったが、ある頃から居酒屋から問い合わせが入るようになり、SNSで話題になっていることを知った。社内でも「試してみよう」という話になったという。
「私も焼酎を炭酸で割り、あんずボーを入れて飲んでみました。杏露酒を足すのが私のおすすめ。香りが良くなって、よりおいしいですね」(鈴木さん)
(ライター・羽根田真智)
※AERA 2019年9月23日号より抜粋