バランスがいい食事は元気のもとだ(写真:gettyimages)
バランスがいい食事は元気のもとだ(写真:gettyimages)

 人気スタイリストの伊藤まさこさんの最新の著書『そろそろ、からだにいいことを考えてみよう』(朝日新聞出版)では、ちょっとしたからだの不調について考えます。普段気になるからだのことを、漢方の専門家、陳志清さんに聞いてみました。ここでは、本からQ&Aの一部をお届けします。

*  *  *

Q 季節のかわりめなどに、体調を崩しがちです

A 季節の変化に対応しにくくなっているのは、多くの場合、自律神経をコントロールする力が弱くなっているせいです。中医学的には、「腎」の陰と陽のバランスが崩れた「腎虚(ルビ:じんきょ)、腎の潤いが不足した「陰虚」と、温めて動かす力が足りない「陽虚」の体質があり、陰虚は興奮しやすく、陽虚はからだがだるくなりがちです。

 日々の食事で改善するためには、腎の力を補う食材を取り入れ、自律神経をコントロールする力を高めます。陰虚タイプの人は枸杞の実、いも、牡蠣、ほうれん草、豆類など、陽虚タイプはくるみ、かぼちゃ、羊肉、しょうが、シナモンなどを積極的に摂るとよいでしょう。

Q めっきり、お酒に弱くなりました

A 酒に弱くなったというのは、からだから老廃物を出す力、つまり代謝が加齢により弱まったということです。肝臓の中には酵素がありますが、長い年月食べたり生活したりしている間に消耗し、酵素をつくる能力も徐々に低下します。病気などで肝臓が傷つくと、さらに落ちてしまいます。

 対策としては、まずは飲みすぎないこと。食で養生するなら、代謝を良くするもの、たとえばきのこ類などがいいでしょう。漢方食材としては、体質にもよりますが、消化を助けるサンザシやウコンなどがよいとされています。また、アルコールの吸収を促進する味の濃いもの、辛いものは控えめに。逆に、適度な量の動物性脂肪や植物性の油などはアルコールの吸収を阻害し、二日酔いになりにくくしてくれます。

 あとは、肝臓の機能をよくすること。そのためには、過労や夜更かしを避け、梅干しや三つ葉、柑橘類、しそやミントといった気の巡りを促す食材を食べたり、ほうれん草やレバー、干しぶどう、なつめ、枸杞の実といった血を補うものを摂ったりするといいでしょう。

次のページ
肌の老化はどう防ぐ?