●卒乳の進め方のコツ

 では、具体的にどのように卒乳を進めていけばいいか?

・「いつでもどこでも授乳」をやめる

 泣いたら授乳していたのをやめ、時間を決めることからスタートしてみましょう。今までおっぱいを飲んでいたところを、抱っこしてスキンシップをしたり、湯ざましやお茶に変えてみたりします。おっぱい以外に満足できる方法が親子ともにわかれば、おのずと授乳回数が減っていきます。また、1回の授乳時間を短くしていく方法もあります。

・卒乳の時期を赤ちゃんに説明する

 急に、おっぱいの回数が減ると赤ちゃんもびっくりしてしまいます。「〇〇の時だけにしようね」「〇〇ごろにはおっぱいやめようね」など、その時々にあらかじめ前もって赤ちゃんに説明しておきます。「説明してもわからないでしょ?」と思わず、「説明する」といいです。

・1日3食とおやつを食べる

 生活リズムを整えて、1日3食と間におやつを1~2回取り入れ、栄養の主を食事に切り替えていきます。遊ぶときも、体を使った遊びを取り入れるなどすると、よく食べるし、疲れて授乳なくコテンと寝るようになります。

・寝る前に授乳以外のことを取り入れる

 授乳を寝かしつけの時にしている親子が多いと思います。お母さんのおっぱいがあるからこそ安心して寝る赤ちゃんが多いですが、こちらも徐々に授乳しなくても寝られるようにしていきます。例えば、絵本を読む、お話をする、マッサージをするなど。

 こうして、徐々に授乳の回数を減らし、1日飲まない日を作り、2日、3日と日数を増やしていきます。赤ちゃんにおっぱいを飲ませないので、おっぱいを絞るなどのケアは忘れずに行いましょう。

 私自身は、職場復帰を見据えて最初から粉ミルクとの混合栄養でした。生後1カ月足らずで仕事復帰をしたので、5、6カ月には母乳が出にくくなりそのまま卒乳でした。私としてはもっと長く母乳を飲ませたかったという切ない思いが今でも残っています。だからこそ、母も子も両方が納得いく時期に、納得いく形で卒乳してほしいなと思います。

(文/中田馨)

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中田馨

中田馨

なかた・かおり/1978年生まれ。兵庫県の認可保育園、中田家庭保育所施設長。一般社団法人離乳食インストラクター協会代表理事。保育士目線の離乳食講座受講生は4年で2000人。自身も中3男子、小5女子の子育て中。

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