一方で、新しいことをやろうとしても「新興校に比べれば変わりにくい組織ではあると思います」と北さんは分析する。人事の硬直化がそのまま組織の硬直化につながる恐れもあるし、ときには同窓会が学校の運営について口を挟むケースもある。

 ただ、変わろうとする伝統校も出始めている。北さんは、国内の女子教育の発祥とされるフェリス女学院を挙げた。

「昨年の1年間でとても積極的に広報をするようになった。実際に志願者が増えました」

 それぞれの学校が教育内容の充実に取り組み、それを過不足なく公表する。少子化で競争が激しくなるなか、学校側の努力もますます必要になるだろう。(ライター・柿崎明子)

AERA 2019年6月10日号