しいたけ./占師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気
しいたけ./占師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気
※写真はイメージ(gettyimages)
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:フリーで通訳・翻訳・講師業の仕事をしています。売り込みは苦手ではないので、自分から営業して仕事は回っていますが、もっと人に呼んでもらったり、声をかけてもらったりしたいです。まだまだ勉強が足りないので、知識を増やし、体を鍛えてもいますが、何が足りないのかいまいちわかりません。(男性/フリーランス/41歳/てんびん座)

A:こういう悩みって、今すごく多いのかもしれません。世の中全体に、たとえ会社員だとしても、自分をブランディングしていかなきゃいけないという空気がつきまとっています。でも、自分のブランディングって、僕は声を大きくすることじゃないとも思うんです。SNSも毎日更新することだけが大事ではない気がしていて。情報の受け手側が、声が大きい宣伝に対して、もう疲弊していますよね。

 このお悩みに対しての回答ですが、僕はシンプルに「メモ」じゃないかと思うんです。会った人について、どこで会って、何が好きで、何が嫌いなのかメモしておくこと。世の中に情報がありすぎるからこそ、生身の人間同士が会っても、どうせこの人は私のこと覚えてないだろうなっていう不信感が前提にある。この人はほうれん草が好きとか、そこを覚えていることが大きな有利になる気がします。

 恋愛でもそうですが、モテる人って相手の好みを覚えている人。好きな食べ物と嫌いな食べ物とか。その人にとって好きなものと嫌いなものって、他の人にとっては理解できないかもしれないんだけど、すごくデリケートな問題です。それを2回目に会ったときに覚えてくれているかってすごく大事。

 実力で壁に突き当たったときは人柄を伸ばすとき、人柄で行き詰まったときは実力を伸ばすときです。両輪で回っていて、実力だけでやってきた人はどこかで「思ったよりみんな振り向いてくれないな」という壁に突き当たります。

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しいたけ.

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しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「しいたけ. 公式サイト」では月刊占いやコラムを連載中。 https://shiitakeofficial.com/

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