「アドレスホッパー」自営業者だけじゃない! 旅するような暮らしのリアル (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「アドレスホッパー」自営業者だけじゃない! 旅するような暮らしのリアル

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石田かおるAERA
アドレスは「土地」、ホッパーは「柔軟に移動する人」の意味。左が冒頭の森山真祐子さん。取材当時、同じコリビングで働いていた林直子さん(中)、ichさん(右)と(撮影/大野洋介)

アドレスは「土地」、ホッパーは「柔軟に移動する人」の意味。左が冒頭の森山真祐子さん。取材当時、同じコリビングで働いていた林直子さん(中)、ichさん(右)と(撮影/大野洋介)

AERA 2019年6月3日号より(写真:大野洋介)

AERA 2019年6月3日号より(写真:大野洋介)

AERA 2019年6月3日号より(写真:大野洋介)

AERA 2019年6月3日号より(写真:大野洋介)

AERA 2019年6月3日号より(写真:大野洋介)

AERA 2019年6月3日号より(写真:大野洋介)

AERA 2019年6月3日号より[写真:本人提供(下)、大野洋介(上)]

AERA 2019年6月3日号より[写真:本人提供(下)、大野洋介(上)]

 居を定めることなく旅するように移動しながら働き、生活する。そんな「アドレスホッパー」に注目が集まる。その存在は、新たなコミュニケーションを生んでいた。 

*  *  *
「バンコク、ゴア、長崎、いまが山梨、6月にベルリンそれからマルタ……うーん。最近の移動先って。多すぎてわかりません。移動が日常ですから」

 そう語るのは、「旅するウェブデザイナー」の森山真祐子さん(31)だ。国内外を移動しながら働き、暮らしている。

 移動生活を始めたのは5年前。フリーランスで自宅で仕事をしていると、誰にも会わず引きこもりがちになった。

「『私は機械なの?』と思いました。仕事が一段落ついたらちょっとおしゃべりしたり、人と触れあったりしたい」

 仕事の効率を考えて、取引先は訪問することはせず、動画チャットで打ち合わせできるところに絞ってきた。だから、どこで仕事しようが支障はない。海外に行くことが多いのは、オープンソースのソフトウェア「ワードプレス」のイベント運営に携わっているからだ。「世界各地の同業者と共通の話題で盛り上がれて楽しい」のだと言う。

 この1年ほどでコワーキングスペース併設の宿泊施設「コリビング」や快適なゲストハウスが増えてきたこともあって、昨年11月、東京の部屋を引き払った。取材した4月上旬は、山梨県南部町に昨秋プレオープンしたコリビング「五番地」に滞在していた。

「海外には魅力的なコリビングがいっぱいあるのですが、日本もここへきてやっとという感じです。海外のノマドはこれまであまり日本に来ることはなかったので今後は呼び込みたい。ノマドは1カ所に比較的長く滞在しますし、日本のコリビングは地方にあるケースが多いので、観光ガイドにはない日本の魅力を味わってもらいたいです」

 旅するように暮らしたい──。ひとつの拠点にとらわれず、国内外を移動しながら働き、生活する「アドレスホッパー」と呼ばれる新たなライフスタイルが注目されている。リモートワークの浸透や宿泊施設の拡充などを受けて広がっている。

「ノマド」との違いは何か。アドレスホッパーコミュニティーの発起人のひとりで、アドレスホッパーの造語にもかかわったマット・マスイさん(28)は次のように説明する。

「ノマドが主にそのワークスタイルを指すのに対し、アドレスホッパーは柔軟な移動性とそれによる土地と人とのかかわりを重視したライフスタイルを意味します」

 税金や社会保険料の支払いなどはどうするのか? 

「シェアオフィスや実家に住民票を置き、事務所地で納税する人が多いです」(マットさん)

 森山さんを取材した「五番地」では、フリーランス養成の1カ月間の講座合宿が開かれていた。その食事を担っていた林直子さん(31)もアドレスホッパーだ。

「昨年冬ごろ知人に『(あなたは)アドレスホッパーじゃない?』と言われて、この言葉を知りました。同じような移動生活を送っている、同類のいるうれしさを感じました」(林さん)


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