「コンビニ百里の道をゆく」は、49歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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コンビニ運営の3大コストをご存じですか。水道光熱費、人件費、そして食品廃棄ロスです。ローソンでは、太陽光発電の導入や、セルフレジなどデジタルを積極的に活用したオペレーションの効率化により、光熱費や人件費を削減することに取り組んでいます。
そして食品ロスの問題は、コストという面はありますが、食品が捨てられる一方で、7人に1人の子どもが経済的事情で十分にご飯を食べられないとも言われており、この矛盾した構図をなんとかして改善したいと思っています。これまでセミオート発注システムでAIを使って需給を予測したり、あるいは値引きやお声がけといったアナログ力を駆使したりして、売り切ろうと力を尽くしてきましたが、それでも廃棄商品が出てくるのが課題でした。
ロスを減らすとともに、もっとローソンらしい方法で何かできないだろうか。そう思って、6月11日から、愛媛県と沖縄県で新しい食品ロス削減プログラムにチャレンジします。
この取り組みでは、深夜と朝に納品されるおにぎり、お弁当に「Another Choice(アナザーチョイス)」と書いたシールを貼付します。夕方のお店はその日の午後に納品された商品と、シールが貼られた商品が並んでいます。午後4時以降にシールが貼ってある商品を買うと、Pontaカードやdポイントカードをお持ちのお客さまには100円(税抜き)ごとに5ポイント還元します。
さらに、対象商品の売上総額(税抜き)の5%の寄付が子どもたちに届くようにしました。単純な値引きではなく、お客さまの選択によっては子どもたちのサポートにもなるという取り組みです。もちろんポイントや寄付は本部の負担です。
お客さま、加盟店のみなさんと一緒に取り組んでいきたいと思っています。
※AERA 2019年6月3日号