ユーチューブなど無料で学べる機会が増えたことから、学びに求めるものが情報ではなくそこで身につくもの、リアルな場所で体験的に学ぶものにシフトしている傾向があり、そうしたニーズを反映してサポート体制を整えた講座も増えているという。それでも自分に合った講座かどうかは、注意深く見極める必要がある。

「ですから口コミは要注意なんです。自分と似た人の口コミなら信頼してもいいですが、同じ講座でも習熟度によって評価が正反対になることもあります」(同)

 最近のキーワードは「エシカル」。後進育成や社会貢献につながる学びが注目されている。

「例えば日本語教師。日本で生活される海外の方が増えるとのことで検討される方が多い。直接収入に結び付かないボランティアとしての関心も高いです。地域活動ならスポーツコーチング。これまでは経験だけで指導していた部活のコーチなどでも、いまは指導法をしっかり学ぶ方が増えました」(同)

 10日間で何をしたらいいか?

「たとえば今自分が興味を持っていることをしっかり体験させてくれるマンツーマンの講座。お金はかかりますが自分のためにカスタマイズされたものなので満足度は高い。あるいは、その場に身をおくこと自体が楽しいというもの。能や狂言、邦楽など、和の伝統文化なら、コスプレ感覚で和服で学ぶのもおすすめです」(同)

 興味のあること、好きなことが前提だが、ひさしぶりの学びでのおすすめのキーワードは「変身できるもの」。日常との距離感があればあるほど楽しい。

「学ぶことは変身。違う自分に出会うことなんです」(同)

 連休が明けたら平成が終わり、令和の時代へ──。

「平成を通して一番人気があったのは『実用ボールペン字講座』でした」

 資格取得、生涯学習の通信教育大手のユーキャン教育事業部メディアマーケティング部部長の田嶋典子さん(49)はこう言う。芳名帳や電話メモ、保育園の連絡ノートなど、意外に自分の字を意識するタイミングはあり、「字がコンプレックス」という人も多いという。10連休でできるおすすめの講座を聞いた。

「『整理収納アドバイザー(1・2級)』は学習期間は4カ月ですが、財布の中身整理など身近なことから学べます。「『お掃除スペシャリスト』は掃除用具付きコースもあるので、すぐに取りかかれます」(田嶋さん)

 もうひとつおすすめしてくれたのが「大人が楽しむ写経セット」。最初はお手本が薄く印刷された写経用紙をなぞり書き。その後徐々にお手本を横にした“臨書”に挑戦する。

「写経すると心が落ち着く、脳が活性化すると言われています。連休中に取り組んでみては」(同)

(編集部・小柳暁子)

AERA 2019年4月15日号