エリザベス女王の胸飾りに京都の糸 英映画に日本人のワザ光る (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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エリザベス女王の胸飾りに京都の糸 英映画に日本人のワザ光る

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稲村美紀AERA
(上)マーゴット・ロビー演じるエリザベスI世。横ラインの胸飾りをベッソンさんが担当した/(下)シアーシャ・ローナン演じるメアリー・スチュアートの衣装は、16世紀にはなかったデニムを使用 (c)2018 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

(上)マーゴット・ロビー演じるエリザベスI世。横ラインの胸飾りをベッソンさんが担当した/(下)シアーシャ・ローナン演じるメアリー・スチュアートの衣装は、16世紀にはなかったデニムを使用 (c)2018 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

Besson・ちえ/1971年熊本県生まれ。90年代からタレントのニット衣装制作に携わり、2001年の渡英後は地元のデザイナーからブライダルドレスのサンプルづくりを頼まれることも多い(写真:ベッソンさん提供)

Besson・ちえ/1971年熊本県生まれ。90年代からタレントのニット衣装制作に携わり、2001年の渡英後は地元のデザイナーからブライダルドレスのサンプルづくりを頼まれることも多い(写真:ベッソンさん提供)

 3月15日に公開される英映画「ふたりの女王」は、物語の展開のみならずゴージャスな衣装も見どころだ。どのように一枚のドレスが作られるのか。衣装チームに参加した、一人の日本人女性に舞台裏を聞いた。

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 イングランドとスコットランドが別々の国だった16世紀。従姉妹同士でもあった女王2人が、激動の時代に翻弄されるさまを描く映画「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」は、ゴージャスな衣装も話題になっている。手がけたのは、2008年に米アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞したアレクサンドラ・バーンさん。彼女の衣装チームメンバーに一人の日本人女性がいた。

 ロンドン在住のベッソン智恵さん(47=写真参照)。担ったのは、衣装デザイナーのアイデアを形にする役割だ。

「衣装を専門にしているわけではなく、デザイナーでもないんです。『サンプルメーカー』または、『モデリスト』が私の職種に一番近い表現だと思います」

 とりわけ大規模な映画制作の場合、多くの服飾関係者がそれぞれの得意分野で関わっている。ベッソンさんは手編みやかぎ針編みを得意とし、エリザベス女王のドレスの胸飾りにかぎ針編みをあしらった(写真参照)。

 胸飾りの糸には、京都で作られている「メタリックヤーン」を使った。「編み方を問わず、金属的な光沢と古風で情緒ある美しさを与えることができる」ことが決め手だったという。

 当初驚いたのは、全体のデザインを知らされずにパーツを制作するということ。この作品でも、「有名なエリザベスI世の肖像画で見るドレスのようなイメージ」という以外、ほとんど何も知らされなかった。

「誰のどんな衣装という情報がないまま、『こんな色と柄で、こんなテクスチャーになるように編んでください』と発注を受けるケースはよくあります」

 今回は胸飾りのほかに、「兵士の息子が寒くないよう思いを込めて母が編んだような手編みのベスト」という依頼を受け、アラン編みのベストを仕上げた。


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