学習院を、「皇室と同じクラスタ(属性)の人を育むゆりかご」と指摘するのは、『美智子さまという奇跡』の著者でコラムニストの矢部万紀子さんだ。

 秋篠宮さまは学習院大学で紀子さまと出会い、結婚された。初等科から学習院だった黒田慶樹さん(53)を妹の清子さん(49)に紹介したのも秋篠宮さまだ。

「学習院は『皇室』という特別な存在の人に壁を作らず、親しく感じる人を育む役割を果たしてきました。秋篠宮さまはそのことを実感されていたので、妹に同級生を紹介されたのだと思います」(矢部さん)

 しかし、眞子さま(27)は学習院女子高等科を卒業後、ICU(国際基督教大学)に進学し、佳子さま(24)は学習院大学を退学して、ICUに入り直した。佳子さまはその理由を会見でこう語った。

「幼稚園から高校まで学習院に通っており、限られた一つの環境しか経験できていないと感じることが多くございました」
 矢部さんは言う。

「同じクラスタだけではイヤ、ということの表明だったと思います。悠仁さまは将来の天皇として、非常に重いものを担われます。学校は教育の場であるだけでなく、人と出会い、人間をつくる場です。今回は選択から外れた学習院ですが、『クラスタ』の視点に立てば、3年後には学習院回帰も検討されるのではないでしょうか」

 高校や大学はどこを選ぶのか。これから3年間、ご本人とご家族が熟慮のうえ、将来も考え、選択されることだろう。

「眞子さま、佳子さまもご参考に、ICUに進まれるのでは」「歴史もありOB・OGも多い学習院が環境として整っているのでは」という声もあるが、ある記者は「専門領域がカギになる」と考えている。

「もし、秋篠宮さまが学習院大学に満足していたら、眞子さまや佳子さまにも学習院を勧められていたのでは。そうではないということですから、専門性や国際性も視野に入れてお考えになるのではと思います」

 皇室には、理系の研究者が多い。昭和天皇は海洋生物や植物を研究する生物学者であり、天皇陛下は魚類学者としても知られている。秋篠宮さま自身は学習院大学法学部政治学科を卒業後、オックスフォード大学に留学して魚類分類学を学び、現在は東京農業大学農学部バイオセラピー学科の客員教授、東京大学の特招研究員を務めている。

 秋篠宮さまは佳子さまに対して、こうも述べられていた。

「公的私的は別にして、ライフワークになるようなものを持ってもらいたいなと思っています」

 現在、悠仁さまは理科が得意だという。12歳の誕生日を迎えた昨年9月には、野菜作りや田んぼ作りにも熱心な様子が伝えられた。もしもやりたいことや興味を持たれた分野が理系の領域であるなら、その専攻につながる進路を選ぶ可能性も少なくない。(編集部・澤志保)