さらに、対象者のうち1千万人以上については住所さえわからない。住所などが記載された書類の保存期間が過ぎ、残っていないためという。

「自分はどうなのか」

 気になるのはそこだ。待っても連絡が来ない可能性があるなら、自分で調べるしかない。

 表は追加給付の対象となる主な項目だ(表参照)。対象者の約96%を占めるのは雇用保険。社会保険労務士法人アイプラス代表の今井洋一さんはこう話す。

「雇用保険が必要となるのは主に会社を辞めた時や育児休業中などです。自分の経歴を棚卸しして、受給期間がないか確かめましょう」

 思い出せないときはどうすればいいのか。今井さんは雇用保険の被保険者番号から調べることを勧める。

「正社員やアルバイトなど雇用形態に関係なく、会社で週20時間以上働く契約をすると、雇用保険の被保険者になることが義務付けられています。被保険者になると被保険者番号が与えられ、原則としてその番号を一生持つことになります。番号が分かれば過去に受給した雇用保険が分かりますし、番号が分からなければハローワークで自分の名前や過去の経歴を申請して調べる方法があります」

 現在、厚労省が「追加給付問い合わせ専用ダイヤル」を設置したり、ホームページ上に追加給付に関するQ&Aを公開したりしているので、そちらの動きもチェックしたい。

 ただ、「雇用保険の追加支給は平均1400円。積極的に情報を得ようとする人は少ないかもしれません」(今井さん)

 気を付けたいのは騒動を悪用する動きだ。今井さんは言う。

「還付金詐欺のように、詐欺グループが厚労省を装う可能性もあり、注意が必要です」

(編集部・澤田晃宏)

AERA 2019年2月4日号