学問の神様で知られる東京都文京区の湯島神社には毎年、合格祈願の絵馬が多数結び付けられている (c)朝日新聞社
学問の神様で知られる東京都文京区の湯島神社には毎年、合格祈願の絵馬が多数結び付けられている (c)朝日新聞社
学力に関するアドバイス(AERA 2019年1月21日号より)
学力に関するアドバイス(AERA 2019年1月21日号より)

 小学校から大学まで入試本番が近づいてきた。勉強はコツコツとした努力の積み重ねと思いつつも、追い込みであとひと伸びさせたい。学力を最大限に引き出すために、この時期に親が心がけること、すべきことはどんなことなのか。

【学力に関するプロのアドバイスはこちら】

 中学、高校、大学の入試問題作成の経験を生かして出題者の立場から入試問題を研究する文教大学生涯学習センター講師の早川明夫さんは言う。

「満点を取る必要はない。大事なことは合格点を取ることです。親側がこの認識を持っていないと、子どもに『1問も間違えてはいけない』とプレッシャーを与えて追い込んでしまう。そうなると、子どもは実力が発揮できなくなってしまいます」

 合格点は科目や問題の難易度などによってもちろん違うが、中には5割程度で合格点になるケースがあるという。「半分間違えてもいい」と考えれば、気が楽になるというわけだ。

 試験が近づいてきたら、新たな問題や難問に取り組むよりもこれまでやってきた問題の見直しが効果的だ。

「入試問題の大部分は基礎基本の問題。難問ができなくても合否にはあまり影響しません」(早川さん)

 この時期は過去問に取り組んで実際の試験のイメージを持つことも重要だ。早川さんは、何か問題に取り組む際には、腕時計を横に置いて、「この問題は10分でやろう」「これは5分」というように時間を決めて取り組むことを勧める。時間配分の意識がつくし、集中力も高まるのだという。

次のページ