その意味ではフェイスブックというツールが最近では一番危ないかもしれない。あれこそ断捨離対象ナンバー1だと思います。FBの仲間というのは大学の同級生の飲み会みたいなもんで、そりゃーよかったね、えらいねー、というのりで、何も考えずに「いいね!」を押しているわけですが、何の広がりもありません。身内で傷をなめあっているだけで、そこで自分の自慢話をするのがそんなにうれしいのかよ、と思うし、それを見てすご~い、とか同調しているやつもどうかしている。それってデキレースだよ。

 FBを見ていると、ほんと反論するやつがいないんだよね。日本独特の「同調圧力」というやつが発揮されていて、自分と同じような仲間しか集まらない。例えばわたくしは、岩手県紫波町で事業としてやった断熱技術建設が将来非常に重要だ、ということを講演会でもブログでもとにかく発信して、それ相応の反論を一手に引き受けています。しかし肝心の断熱に携わっている建築設計などのプロの人たちは、FBかなんかでしかそういう自慢をしない。理解を示す人だけが友達登録されていて、1千人とかのいいね! の嵐となり、本人がそれを「世の中から支持されている」と勘違いするケースがあまりにも多いのですよ。身内からいいね! をもらっても全く意味がなくて、断熱!? ふざけんな、お前、と言っているエネルギーテロリストのような人たちをどう切り崩すかが勝負なんです。いい大人なんですから、少数派であればこそ仲間内で自慢しあっている場合ではない。堂々とアエラのようなメディアに登場し、真っ向から発言せねばなりません。そのためにはどうするかって!? そんなこたー自分で考えてくださいよ!!

AERA 2019年1月14日号

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ぐっちー

ぐっちー

ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中

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