安浪:Hさんもお嬢さんとは、かなり激しいバトルがあったようですが……。

Hさん:はい。結論から言うと、今振り返ると、娘は中学受験をするには幼いタイプだったのに、私自身が無理させたのが原因だったかもしれません。もともと娘から「友達みんな受験するから、私もしたい」と言ってきたのですが、そのときは中学受験がこんな大変なものだとは、親子ともどもわかってませんでした。私自身、公立中に行って都立高目指して競争するより、ほんわかした女子校のほうが娘に合っているのではと軽く思ったんです。

安浪:そう考えて、娘の中学受験を決心する親御さんは多いですから……。

Hさん:でも私もしょっちゅう感情的になって娘を怒ってしまいました。頭にきて「もう、受験やめれば!」と脅すと、娘は号泣して「絶対やめない」と言う。そんな芝居もどきを定期的にやっていたような、典型的なダメパターンでしたね(笑)。

安浪:そんなにご自身を責めないで。中学受験親子にはよくある話ですよ。親子のなかでもとくに「お母さんと娘」のパターンは激しい言い合いになって、禍根が残ることもあります。お母さんからみれば、娘を心配する気持ちが強いからこそ、なんですけどね。

※「『そこまでやっていいんだ!』の声も… 塾で『いい先生』を味方につけるために父親が取った行動とは?」へつづく

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2018年 秋号 [雑誌]

高濱正伸,安浪京子,tomekko

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AERA編集部
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