24歳の新星・木竜麻生が体現した「自死遺族の抱える悲しみ」 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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24歳の新星・木竜麻生が体現した「自死遺族の抱える悲しみ」

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小柳暁子AERA
木竜麻生(きりゅう・まい)/1994年、新潟県生まれ。映画出演作に「まほろ駅前狂騒曲」(2014年)、「アゲイン」(15年)、「菊とギロチン」(18年)など。写真集に『Mai』(リトルモア)がある(撮影/写真部・小原雄輝)

木竜麻生(きりゅう・まい)/1994年、新潟県生まれ。映画出演作に「まほろ駅前狂騒曲」(2014年)、「アゲイン」(15年)、「菊とギロチン」(18年)など。写真集に『Mai』(リトルモア)がある(撮影/写真部・小原雄輝)

「鈴木家の嘘」/監督・脚本:野尻克己。監督の経験に基づく脚本。岸本加世子、大森南朋らが脇を固める。全国順次公開中 (c)松竹ブロードキャスティング

「鈴木家の嘘」/監督・脚本:野尻克己。監督の経験に基づく脚本。岸本加世子、大森南朋らが脇を固める。全国順次公開中 (c)松竹ブロードキャスティング

「恋人たち」/発売・販売元:松竹、価格3800円+税/DVD発売中 (c)松竹ブロードキャスティング/アーク・フィルムズ

「恋人たち」/発売・販売元:松竹、価格3800円+税/DVD発売中 (c)松竹ブロードキャスティング/アーク・フィルムズ

「作品も人物も全然違うんですが、今作と共通していたのは、私の地の部分がにじんでもいいと監督がおっしゃってくださったことです」

 新世代のミューズの誕生だ。

◎「鈴木家の嘘」
監督・脚本:野尻克己。監督の経験に基づく脚本。岸本加世子、大森南朋らが脇を固める。全国順次公開中。

■もう1本おすすめDVD 「恋人たち」

「鈴木家の嘘」の野尻克己監督がチーフ助監督として参加した本作は、橋口亮輔監督が大ヒット作「ぐるりのこと。」以後、7年という長い沈黙の後に発表した長編作品だ。

 愛する妻を通り魔殺人事件で失った男は、正確な聴力を頼りに橋梁点検の仕事をしているが、健康保険料も払えないほど困窮している。関係の冷えた夫、姑と3人で暮らす弁当屋パートの女性は、皇族ファンで少女趣味的な小説や漫画を描くのを愉しみとしている。完璧主義者のゲイのエリート弁護士は、何者かに階段で突き飛ばされ松葉杖の生活になるが、見舞いに来た、学生時代以来思いを寄せている友人から屈辱的な誤解を受ける。三者の現実が微妙に重なりながら、三者が三様の卑小な悪にさいなまれ、出口を探してもがく。

 リアルな感情に触れることで浄化される感情のおりがある。現実の底をまざまざと見せつけられることで霧が晴れたように視界がクリアになることもある。本作はまさにそういった作品だ。

◎「恋人たち」
発売・販売元:松竹
価格3800円+税/DVD発売中

(編集部・小柳暁子)

AERA 2018年11月26日号


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