東出昌大×笈田ヨシ『豊饒の海』対談 舞台化への思いを語る (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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東出昌大×笈田ヨシ『豊饒の海』対談 舞台化への思いを語る

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坂口さゆりAERA
東出昌大(ひがしで・まさひろ、右):1988年2月、埼玉県生まれ。映画「桐島、部活やめるってよ」(2012年)で俳優デビュー。18年は「菊とギロチン」「寝ても覚めても」「ビブリア古書堂の事件手帖」ほか多くの出演・主演映画が公開/笈田ヨシ(おいだ・よし、左)/1933年7月、兵庫県生まれ。文学座、劇団四季を経て68年にロンドンで舞台「テンペスト」に出演するなど国内外で活躍。2019年には新国立劇場でオペラ「紫苑物語」の演出を手掛ける(撮影/写真部・加藤夏子)

東出昌大(ひがしで・まさひろ、右):1988年2月、埼玉県生まれ。映画「桐島、部活やめるってよ」(2012年)で俳優デビュー。18年は「菊とギロチン」「寝ても覚めても」「ビブリア古書堂の事件手帖」ほか多くの出演・主演映画が公開/笈田ヨシ(おいだ・よし、左)/1933年7月、兵庫県生まれ。文学座、劇団四季を経て68年にロンドンで舞台「テンペスト」に出演するなど国内外で活躍。2019年には新国立劇場でオペラ「紫苑物語」の演出を手掛ける(撮影/写真部・加藤夏子)

 三島由紀夫の小説『豊饒の海』が舞台になる。この大作に主演するのは東出昌大。生前の三島と親交があった笈田ヨシも出演する。二人に舞台への思いを聞いた。

*  *  *
 三島由紀夫が約6年をかけて全てを織り込んだ絶筆の書『豊饒の海』。「春の雪」「奔馬」「暁の寺」「天人五衰」の4作からなる長編小説を、今回1本の舞台として創作した。美の象徴ともいえる松枝清顕に、思春期から三島由紀夫作品の虜になってきたという東出昌大。また、清顕という美に憧れ続け、取り残されてしまった本多繁邦の老年期を、三島と親しくしていた笈田(おいだ)ヨシが演じる。

東出:僕は三島文学の中での最高峰は『豊饒の海』だと勝手に位置付けていました。この作品は他の作品と比べて、読むのに非常に時間と労力がかかります。美文であるのはもちろんですが、三島文章の表現の美しさがブイブイ腕を鳴らして描かれているのも素晴らしい。

笈田:三島先生は「俺はこの作品で地球に爪痕を残す」とおっしゃって、これを書かれた。本作は『浜松中納言物語』からヒントを得たと言われています。書かれた当時、1970年代は古典を軽視する傾向があった。そんな時に僕はどうして中世の焼き回しをするのか、という気がしていました。その後、私がはじめて外国から帰った時、先生に、「お書きになったことがやっとわかったような気がします」と伝えたことがあります。「そうか、お前でもわかったのか」と言われましたが、自分の解釈は話さなかったので、それが正しいかどうかはわからないままです(笑)。不敬な話になってしまいますが、この作品は、先生が死ぬことを決めてから、お書きになった。だから、『豊饒の海』は4作と自害を合わせて一つの作品だと思っています。

東出:今回初めて舞台化の話を聞いた時は、脚本を読んでいなかったので耳を疑う思いでした。4作を1作品にするとはどういうことなのか。でも、脚本を読んだら、4作がまとまっていて素晴らしい1本になったと思いました。移ろいゆく時代も視覚的に楽しみですし、三島文学の綺麗さが戯曲になっても生きているので、三島ファンとしても嬉しいです。


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