期間は1日、上映作品は1作品のみ 映画館のない熱海市で「怪獣映画祭」を実現させた人々 (1/4) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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期間は1日、上映作品は1作品のみ 映画館のない熱海市で「怪獣映画祭」を実現させた人々

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川口穣AERA
熱海怪獣映画祭は、飲み屋「一期庵」での夢語りから始まった。ママの関澤江美さん(右)と常連客の伊藤和典さん(撮影/川口穣)

熱海怪獣映画祭は、飲み屋「一期庵」での夢語りから始まった。ママの関澤江美さん(右)と常連客の伊藤和典さん(撮影/川口穣)

熱海怪獣映画祭の開催を伝えるチラシ。デザインも実行委員の手による(提供/熱海怪獣映画祭実行委員会)熱海怪獣映画祭公式HP https://atamikaiju9.webnode.jp/

熱海怪獣映画祭の開催を伝えるチラシ。デザインも実行委員の手による(提供/熱海怪獣映画祭実行委員会)
熱海怪獣映画祭公式HP https://atamikaiju9.webnode.jp/

 大人が本気でワクワクしながら、楽しいことをやってみたい。そしていつかは、街を怪獣映画の聖地に――。そんなシンプルな動機と大きな「夢」から、手作りの映画祭が立ち上がった。第1回目の今回は期間1日、上映は1作品のみ。それでも、ゼロから作り上げてきた映画祭の話を聞くと、こちらまでその高ぶりが伝わってくる。10月27日(土)に行われる「熱海怪獣映画祭」を立ち上げた人々を取材した。

【実行委員がデザインしたチラシはこちら】

*  *  *
 昨年10月のある日、深夜1時を回ったころ。静岡県の熱海駅近くの飲み屋「一期庵」では、ママの関澤江美さん(44)と、常連客で脚本家の伊藤和典さん(63)、映像作家のスズキノブヨシさん(46)がグラスを片手に語っていた。関澤さんと伊藤さんはウィスキーのロック、スズキさんは生ビール。

「何をやったらワクワクするかな」という関澤さんの問いに、伊藤さんが答えた。

「熱海に根差した映画祭をやってみたい。熱海と言えば怪獣。サンビーチ(熱海を代表するビーチ)にスクリーンを立てて、怪獣映画を観たら楽しいと思う」

 そして、ゆくゆくは熱海が怪獣映画の聖地になれば、とも。

 それは、よくある飲みの席での夢語りだった。だが、関澤さんの琴線に触れた。

「熱海で生まれ育って、その後もずっとこの街で働いているなかで、大人が本当にワクワクできることって何だろうと思っていたんです。伊藤さんの話を聞いたとき、“あ、それだ!”と感じました」(関澤さん)

 伊藤さんは「平成ガメラ三部作」などの怪獣映画で知られる脚本家だ。

 熱海は、1962年公開の映画『キングコング対ゴジラ』でクライマックスの舞台となり、67年の『大巨獣ガッパ』で再び街が破壊された。その後も多くの怪獣映画や特撮番組の舞台となってきた「怪獣の街」。今でこそ営業している映画館はないが、往時には7軒の映画館が競い合っていた「映画の街」でもあった。

「怪獣映画のポテンシャルはなんとなく感じました。怪獣が街を破壊するように、怪獣映画は既存の保守的な空気感のようなものを一掃してくれる。そんな気がしたんです」(関澤さん)


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