CAWPによると、中間選挙の共和、民主両党の女性候補者数(10月1日現在)は、下院で235人(共和52人、民主183人)が予備選を経て公式な党の候補者となり、最多だった16年の167人(共和47人、民主120人)を大幅に超えた。

 特に大幅増となった民主党の予備選では、ミシガン州で米国初の女性イスラム教徒の下院議員になる可能性が高いラシダ・タリーブ氏(42)が勝利。マサチューセッツ州では同州初のアフリカ系女性議員候補アヤンナ・プレスリー氏(44)、ニューヨーク州では飲食店などで働きながらプエルトリコ出身の母親を支えたアレクサンドリア・オカシオ・コルテス氏(28)が、いずれも10期の現職を破った。トランプ政権を激しく批判し、「今が立ち上がるとき」(プレスリー氏)と訴えた候補者たちだ。民族的背景に象徴されるマイノリティーの躍進も目立つ。

 上院でも両党で女性候補22人が予備選を勝ち、これまでの最多記録(18人)を更新。36の州知事選挙でも16人が予備選を勝ち、10人だった最多記録を塗り替えた。ただ、CAWPが9月に公表した中間選挙本戦の予測では、最も勢いがある下院でも、勝利が濃厚な女性候補は両党あわせて定数(435)の2割の約90人。今の下院の女性比率19.6%が少し改善される程度だ。

 トランプ大統領就任直後の抗議デモ「ウィメンズマーチ」やセクハラ被害を告発する「#MeToo」運動の流れの中で、女性の政界進出支持の動きは有権者にさらに広がるか。トランプ政権の今後を占う意味でも、中間選挙の大きな注目点の一つとなる。(編集部・山本大輔)

※AERA 2018年10月15日号