デジタルウォレットとカードがセットのピグズビー(デバイスは別売り)。アプリと合わせて使う(写真:キャンドルウィック提供)
デジタルウォレットとカードがセットのピグズビー(デバイスは別売り)。アプリと合わせて使う(写真:キャンドルウィック提供)

「ねぇパパ、お小遣いがほしい」

「じゃあ、茶わん洗いを手伝ってくれたら、10ウォロ、ピグズビーに送金するよ」

 近い将来、親子でのこんな会話が一般的になるかもしれない。

 仮想通貨のやり取りを通して子どもがお金の仕組みを学ぶ、「ピグズビー」というデジタルウォレットが、今年4月に発表された。2019年春頃に日本など各国で本格サービスがスタートする予定だ。ピグズビーは、子どもがお小遣いを貯め、使うことを体験できるアプリと、実際に手で触れられるデバイス(デジタルウォレット)が一体になっている。大人は、日々のお小遣いやご褒美を仮想通貨で子どもに送金。子どもは仮想通貨を貯めるだけでなく、アプリやデジタルウォレットとリンクした専用カードを使用することで、円やドルに交換して買い物ができるようになる。では、実際の買い物に、どの程度使えるのだろうか。日本での広報を担うキャンドルウィック社の担当者は次のように話す。

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川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

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