稲垣えみ子「『超節電生活=老化防止生活』だった!」 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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稲垣えみ子「『超節電生活=老化防止生活』だった!」

連載「アフロ画報」

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稲垣えみ子AERA#稲垣えみ子
稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。著書に『寂しい生活』『魂の退社』(いずれも東洋経済新報社)など。『もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓』(マガジンハウス)も刊行

稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。著書に『寂しい生活』『魂の退社』(いずれも東洋経済新報社)など。『もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓』(マガジンハウス)も刊行

我がマンションの階段。5階まで1日4往復するので1年だと約7千階!チリツモ馬鹿にできません(写真:本人提供)

我がマンションの階段。5階まで1日4往復するので1年だと約7千階!チリツモ馬鹿にできません(写真:本人提供)

 元朝日新聞記者でアフロヘア-がトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。

【稲垣さんが住んでいるマンションの階段の写真はこちら】

*  *  *
「超節電生活」について体験談をお話しすると、会場からの質問でよく聞かれることの一つに「10年後、20年後も同じことができますか」というのがあります。お顔を見ればどうやら私より年配の方。なので、便利な家電製品を手放しても楽しくやってまーす……なんて能天気な話を聞かされて、それは体が動く今だから言えること、年をとるとそうはいかないのですよと思わず言いたくなったのではと想像します。すみませんその通りかもしれません。確かに53歳は、老いの現実を知っているとは言えない年齢です。

 ということで、確かにその時になってみないとわかりませんね……と毎度冷や汗をかきながらお答えすることになるのですが、先日、とある健康雑誌の老化防止特集を手にして思わず目を見張りました。

 これ、全部私がやってることばかり!

 よく寝る(薄暗いしテレビがないので早々に寝る)。運動する(エレベーターを使わないのでマンション5階の部屋まで階段で上り下り)。日中光を浴びる(明かりを極力使わないので太陽とともに行動)。規則正しい食事(冷蔵庫がないので食材を使い切るため日々淡々と自炊)。コミュニケーション(風呂は銭湯なので常連のおばちゃんと雑談)。知的活動(便利な物を使わないと何でも自分で工夫せざるをえない)……なんと「超節電生活=老化防止生活」だったんです!

 しかし考えてみれば当たり前で、便利とは「面倒なことをやらなくて済む」ということ。つまりは体や頭も使わなくて済むということです。使わないものは衰える。なので、便利なものを手放せば体も頭も使わざるをえず、それはすなわち老化防止になるというわけです。

 老化するから便利なものを使うのか、便利なものを使うから老化するのか……? どうも頭がこんがらがってきました。でも20年後の自分に希望が湧いてきたのは事実です。もちろん先のことはわからない。でもきっと、73歳になってもキャッキャとこの生活をしている気がします。

AERA 6月25日号


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稲垣えみ子

稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行

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