目立っていたのはコロンビアやペルー、メキシコら、見た目がカラフルで陽気な中南米勢。日本の初戦の相手でもあるコロンビアから来たという高校時代の同級生5人組も黄色のユニフォームで揃え、居住地のボゴタからスペインのマドリード、ドイツのフランクフルトを経由し、約25時間かけてロシア入りしたとのこと。

 日本戦については「3-1でコロンビアが勝たせてもらう」と自信たっぷりだったが、観戦に不安もあるという。

「ここまで来るのも大変だったけど、日本戦の会場となるサランスクまではここからさらに電車で片道10時間だからね。(W杯を観戦する)サポーターにとって長距離列車が無料になることはうれしいけど、ちょっと時間がかかりすぎる(苦笑)」

 そう、日本の約45倍、世界最大の国土を誇るロシアでは、観戦者にとって今後の移動は悩みの種でもある。

 ただ、モスクワの街からは地下鉄に乗ってもレストランで食事をしても、飾り付けやスタッフの様子でW杯を歓迎していることが感じられる。

 何より過去2大会は、南アフリカ、ブラジルと現地の治安の問題もあり、街のあちこちへサポーターが自由に繰り出すことができずにW杯ムードを感じられる機会は少なかった。ロシア大会では、久しぶりにそうした雰囲気が戻ってきている。(スポーツライター・栗原正夫)

AERA 2018年6月25日号