自国優先主義の分水嶺 今後4年が既成政党の正念場である理由 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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自国優先主義の分水嶺 今後4年が既成政党の正念場である理由

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山本大輔AERA
【図1】 欧米での世論調査(AERA 2018年6月4日号より)

【図1】 欧米での世論調査(AERA 2018年6月4日号より)

【図2】 まだ余談を許さない 英国のEU離脱[ブレグジット]交渉のスケジュール(AERA 2018年6月4日号より)

【図2】 まだ余談を許さない 英国のEU離脱[ブレグジット]交渉のスケジュール(AERA 2018年6月4日号より)

 自国優先主義が台頭し、内向き志向を強めている欧米諸国。その背景に一体何があるのか。シンクタンクのみずほ総合研究所(東京)の欧米調査部が情勢分析をするうえで作成した図やグラフとともに、吉田健一郎・上席主任エコノミストが解説する。

【図表で見る】英国のEU離脱[ブレグジット]交渉のスケジュール

 ヒト、モノ、カネの動きを巡るグローバル化の影響と、世界経済の低迷は、欧米の有権者の意識を大きく変えた。米ピュー・リサーチ・センターが欧米で実施した世論調査(図1)が分かりやすい。

 世界経済との関係強化に否定的で、自国への自信を失い、自国の問題を優先すべきとする回答は、いずれも欧州の中央値よりも米国の方が高い。また、自国優先を求める回答は欧米ともに5割を超えており、自国第一主義を支持する意識の強さを反映している。トランプ大統領が米国第一主義を生んだのではなく、それを求める米国の有権者たちがトランプ大統領を生んだと考えるのが自然だ。

 そもそも、自国優先主義が世界で顕在化したきっかけとなった政治イベントは、ブレグジットを決めた英国の国民投票だった。日本ではあまり報道されないが、EU離脱に向けた英EU交渉は進んでいる。これもチャートで見ると理解しやすい(図2)。離脱協定と新協定(FTA)の二つの交渉が柱で、19年3月29日の離脱期限までに、まずは離脱協定を締結できるかが最初の課題。同3月末に英国はEU法の適用を停止するが、21カ月の移行期間が終わる20年12月31日までに、EUの単一市場との関わりをどうするかなどの新協定交渉を詰められるかが最後の焦点だ。交渉の行方次第では、英国に続くEU離脱国も出かねない状況だけに、EUにとっても重要な交渉になっている。

 英国がEU法の適用を実際に停止する20年には米大統領選もある。翌21年から22年にかけては独仏英など欧州各国で総選挙が続く。自国優先主義やポピュリズムの流れが加速するのか、減速するのか。それを占う意味でも、今後4年間が既成政党の「頑張りどころになる」と吉田氏は語る。(編集部・山本大輔)

AERA 6月4日号より抜粋


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