水原希子(みずはら・きこ)/1990年、米国生まれ。幼少期から神戸市で過ごす。モデル、俳優。ディオール・ビューティのアジア・アンバサダーに選ばれるなどグローバルに活躍。インスタグラムのフォロワーは498万人を超える(撮影/写真部・東川哲也)
水原希子(みずはら・きこ)/1990年、米国生まれ。幼少期から神戸市で過ごす。モデル、俳優。ディオール・ビューティのアジア・アンバサダーに選ばれるなどグローバルに活躍。インスタグラムのフォロワーは498万人を超える(撮影/写真部・東川哲也)
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 女優やモデルとして活躍する水原希子さんは、SNSでも多くのフォロワーを抱える。SNS上では時に社会的な発言をし、賛否両論、様々なコメントであふれることも。それでも発信をやめない、彼女の強さの源とは。

 希子さんの強さは、決して発信をやめない意志の力と、大きな波すら乗りこえてさらに前進してしまうところにある。が、彼女も最初からアグレッシブなパワーの持ち主だったわけじゃない。何度も襲いかかる「自分を発信する怖さ」に打ち勝って、ここまできたのだ。

「私はハーフなので、人とは違うと小さい頃から思っていました。だからいじめられないように、なるべく目立たないように、同級生と一緒の趣味を持ったり、しゃべり方を同じようにしたりして安心していた。東京に出て、モデルになったとき、他のモデルの子がみんな個性的で、みんな違うバックグラウンドを持っていたんです。みんな違って、みんな素晴らしかった。そこから、自分の個性ってなんだろうと探し始めたんです。自分の心のひかれるままに、音楽をたくさん聴いて、映画をたくさん見て、いろんな場所に行っていろんな遊びをしました。当時のギャルブームに乗って茶髪にして、日焼けしていたけれど、やっぱり違うなと思ったんです。髪を黒くして、赤いリップにたどりついて、やっと自分らしさに自信が持てるようになりました」

恋愛でも、自分が分からなくなり、自信を失ったことがある。

「若い頃、好きな人に嫌われるのが怖くていい子を演じていたら、相手にのみ込まれて本当の自分が分からなくなった。それがすごく怖かったんです。相手が連絡をくれなくても我慢したり、料理なんかしちゃったりして、物分かりがいい女の子を演じていたけれど、『何で私、この人に嫌われないために言いたいことも言わないんだろう』『なんでこの人、私のことこんなふうに扱うんだろう』と悩んでいて。でも、『自分がこういうふうに扱わせているんだ』と気づいた。めんどくさいと思っても、一緒にディスカッションできないなら別れたほうがいい。

 恋愛って、長く一緒にいたい人や、生涯一緒にいたい人を見つけるために始まると思っているんです。だから本当の自分を見せないと続かないと思う。でも今って、『モテ』に支配されていますよね。ドラマや雑誌は、いかに男性を喜ばせて、いかにいい嫁、いい女になるかを押し付けてくる。でも、その定義がよく分からない。それが好きだったらやればいいし、好きじゃなかったらやらなければいい。時代はもう昭和じゃないから(笑)」

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